2012年に初作『Loveblood』を出した時、キング・チャールズは中世ヨーロッパからタイムスリップしてきたかのようなヴィジュアルで、陽気かつキッチュに個性を発揮していた。しかしこの2作目は容姿も音楽性もまるで別人。トリックスターであることを止め、自身の内面や音楽的ルーツと向き合って再スタートを切ったとも言えそうだ。再生に賭ける熱い思いに応えたのは友達であるマーカス・マムフォードで、彼がプロデュースを担当。ダイナミックな展開、力強いバンド・サウンド、掠れ気味のヴォーカルと、マムフォード・アンド・サンズを想起させるナンバーが多いが、チャールズ王ならではの遊び心たっぷりなメロディー運びとパッションがそこから溢れ出し、説得力のある力作に仕上がった。