みんなが待っていたオブ・モンスターズ・アンド・メンの3年ぶりとなる2作目は、メンバーみずから「前作とは違う趣の作品になる」と宣言していた通り、大胆なイメチェンが図られている。ことギターに限って言えばニューウェイヴ色が濃く、ジャキジャキした印象。それでもアイスランド産ならではのヒンヤリとした質感やミステリアスな雰囲気、男女ヴォーカルの掛け合いに荘厳な音飾から醸し出される彼ららしさは変わらない。つまり、前作の核にあったマムフォード&サンズ譲りのユニゾン・コーラスやストンピンなビートは、あくまでもグループの一要素に過ぎなかったわけだ。キャッチーな仕掛けに頼らないプロダクションに加え、物語仕立てのものからパーソナルなものへと変化した歌詞にも注目。