活況のガールズ・バンド・シーンに、また新たなヒロインたちが登場! 2013年の結成以来、着実に動員を伸ばし、これまでにライヴ会場限定で出してきた10タイトルに及ぶシングルCDはほぼ完売。昨年末にAldiousやRaglaiaらを擁するVillage Againから初の全国流通盤“スノーレター”をリリースしたCherryHeartsのことだ。
彼女たちの魅力はまず、ライヴでの賑やかなパフォーマンス。ステージを所狭しと駆け回るのはヴォーカリストだけでなく、竿モノを扱う3人もぐいぐいと前に。エンターテイメント性に富んだアクションで観ているこっちを楽しくさせる。
「お客さんと楽しさを共有してる感じだよね?」(椎名りえ)。
「そう、楽しいから続いてるし、楽しくなくなったらやらないね」(笹宮千穂)。
昨年6月からバンドに合流した日向琴乃が、他の3人と初めて会った時の印象を「ギャル(笑)」と振り返るように、そもそも派手好みのメンバー揃い。
「とりあえずステージに出てきた時に〈派手だなあ〉って思われたい(笑)。他のバンドが目当てで観に来た人にも、良くも悪くも強い印象を与えないと気にしてもらえないじゃないですか。印象が強ければ〈1曲ぐらいは観てやるか〉ってなる」(笹宮)。
そんなエネルギッシュなステージやヴィジュアル、キャラクター以上に、彼女たちの武器となるのが楽曲だ。〈5人目のCherryHearts〉であるYoji-Sakura-Shimataniが作詞/作曲/プロデュースを手掛けたそれらは、PRINCESS PRINCESSのような往年のガールズ・バンド全盛期の立役者たちを彷彿とさせる普遍性と華やかさを持ったもの。メタル系のアッパーなロックからバラード、煌びやかなシンセを塗したポップなナンバーまで、満を持してリリースされたファースト・アルバム『CherryHearts』でひとまとめになったことで、その魅力がいっそう弾けている。
「やっぱりキラキラしてる曲が多いですね。初期の頃からやっていた曲(の現メンバーでのニュー・レコーディング!)と、新曲が3曲。名刺代わりの一枚になったんじゃないかと思います」(椎名)。
「親の影響もあって、私はメタルとかハード・ロックとか激しい曲が好きだったんです。正直に言っちゃうと、前はそれっぽい〈かっこいいガールズ・バンド〉がやりたかったんですけど、プロデューサーの曲はすごくキラキラしてるし、可愛さとかポップさだけじゃない、耳に残る何かがあるんですよね。これはスゴイなと」(早川満里奈)。
「私は、メタルやハード・ロックのような激しいものもポップスも幅広く好きでした。どんなジャンルでもキャッチーなものが好きだったので、CherryHeartsのキャッチーな音楽はとても好きです」(日向琴乃)。
「こんなに曲が入ったCDを出すのは初めてのことなので、曲順を決めるのにもめっちゃ話し合いましたし、マスタリングにも立ち会ったんです。曲間を決める作業の時、〈曲間って、決めるものなんだ?〉って(笑)。でも、確かに思い返してみれば、自分がいままで聴いてきたアルバムでも、次の曲に絶妙なタイミングで入ってくる曲もあったなあって。だから、バラードの後はブランクを長めに取ってちょっと余韻に浸るとか、すごく考えました。これはシャッフルで聴かないで、頭から順番に聴いていただけたら嬉しいです(笑)」(笹宮)。
そんなバンドの今後の夢、野望は……。
「たくさんありすぎて。でも、結成した時から言ってるのは、武道館でワンマンをやって、地方のツアーも観に来てくれるお母さんにステージから手紙を読みたい(笑)」(笹宮)。
「大きいステージでたくさんの照明を浴びたいです」(日向)。
「やっぱり武道館は夢だね」(椎名)。
「そう、武道館でやるよりも、私は武道館で手紙を読むのが夢(笑)」(笹宮)。
CherryHearts
笹宮千穂(ヴォーカル)、早川満里奈(ギター)、椎名りえ(ギター)、日向琴乃(ベース)によるロック・バンド。笹宮と早川らによる同名の前身バンドがメンバーとコンセプトを改めて再始動する形で、2013年3月に東京で結成。6月に会場限定シングル“Next Brand New World”をリリースし、都内を中心にライヴ活動を行いながら2015年にかけて通算10枚の会場限定シングルを発表していく。2015年6月より現在の編成となり、12月に初の一般流通盤となるシングル“スノーレター”を発表。同作がタワレコの〈NEXT BREAKERS JAPAN〉に選定されたことも話題を集めるなか、このたびファースト・アルバム『CherryHearts』(Across Music/Village Again)をリリース。