INTERVIEW

ツェッペリン曲のみ演奏するZEK TRIO、原曲にない狂乱や混沌に静謐付与したハード・ジャズ揃う初作『ZEK 3』を語る

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  • 2017.03.28

 

レッド・ツェッペリンの曲のみを演奏するハード・ジャズ・トリオの初アルバム!

 そのマグナム級のハード・ジャズに誰もが“絶句”するというZEK TRIOが、結成12年目にして初のアルバムを発表した。清水くるみ(p)、米木康志(b)、本田珠也(ds)による2枚組。ロック界で最も影響力を持つレッド・ツェッペリン(=ZEP)の曲のみを演奏することで衆目をひき、実際には“ツェッペリン愛”を満面にしながらもツェッペリンにはない“狂乱”“混沌”“静謐”が即興的にその演奏へ付着されることで、多くのジャズ・ファンが脳天をぶち抜かれるのである。

ZEK3 ZEK! - A Piano Trio only plays the music of Led Zeppelin ZEK(2016)

 「もともと、凄く元気なジャズをやっていたんです。それが15年ジャズ界から離れている間、どうもみんな大人しくなっていて。もう私の居る場所はないのかなと思っていた時に、たまたまセッションで珠也のドラムと出会うんですね。『これだ!』って。そこで聴いた気骨あるリズムから、『彼と一緒に自分たちのジャズをやってみたい』と彼をバンドに誘っていた。コンセプトありきじゃなく、とにかく彼らと一緒に音楽を創りたかった…それが結成の原点でした」(清水)

 「小さい頃からロックは大好きで、ツェッペリンのコピー・バンドをやってたこともある。今でもジョン・ボーナムは大好きです。彼はある曲のソロでマックス・ローチの《ドラム・オルソ・ワルツ》を引用するぐらいジャズを研究していて、そのフィーリングに惚れ込んでしまった。それでくるみさんと『ツェッペリンの曲だけをやるジャズのピアノ・トリオってどう?』『いいんじゃない?』なんて話になった」(本田)

ZEK3の2015年のライヴ映像
 

 清水はツェッペリンの全作品を聴き込み、その森羅万象を抱え込んだ音宇宙に、やがて立ち上げるZEK TRIOの展望を開いていくことになる。ツェッペリン演奏が最終目的でなく、その素材群がこの3人でしか表わせないものを内在させていることに気づいたのだ。

 「くるみさんからピアノ・トリオをやりませんかと相談されて、聞けばドラムは珠也だっていう。そりゃあ三つ返事さ! エレキを弾くかウッドでいくか、ずいぶん迷ったけど3年前にやっとエレベがしっくりきて。すると2人の奔放さを上手く引き出せるようになり、いや長い間ご迷惑おかけしましたと(笑)」(米木)

 高みに達した感があった。追いかけていた音が体の一部になり、思う形で筆を振るえる状態になったのだと本田は分析する。米木は言い出しっぺの清水の潔さに脱帽しつつ、やっと素材を自らのジャズとして演奏できるようになったのだと言う。また清水は結局頼れる2人がいて、その大船に乗ってしまえばいいと開眼していた。クラシックやフリーを通過したピアノに、ボーナムの魂とパワーを蘇らせたドラム、その全体をグルーヴさせうるベース…唯一無二の音へ昇華する。

ZEK3の2015年のライヴ映像

 


LIVE INFORMATION

ZEK! 2017年ツアー
○3/29(水) 北千住バードランド
○5/22(月) 大塚ドンファン
○5/31(水) 高円寺JIROKICHI(ボンゾバースデイ)
○6/7(水)から北海道東北ツアー

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