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「ワイルド・スピード ICE BREAK」大ヒット記念! 15年以上に渡り世界を爆走してきたメガ・シリーズの歴史を音楽と振り返る

(C)UNIVERSAL STUDIOS

〈ファミリーが崩壊する〉——そんな衝撃的なコピーも手伝って公開前から話題騒然だったのが、15年以上もの長きに渡って世界を爆走してきた〈The Fast And The Furious〉シリーズの第8弾「ワイルド・スピード ICE BREAK」。そう、ドムと〈ファミリー〉が最後のトリロジーに臨むべく帰ってきたのだ。すでに北米では約9880万ドルのオープニング興収を記録して全米ボックスオフィスで首位デビュー、さらに全世界では約5億3200万ドルというオープニング興収を叩き出し、かの「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(2015年)を抜き去る歴代新記録を樹立。そもそも前作「ワイルド・スピード SKY MISSION」(2015年)が〈フォースの覚醒〉や「ジュラシック・ワールド」に競り勝って2015年度のインターナショナル興収1位を獲得していたわけだから、世界各地での支持の強さは折り込み済みというわけで、ここ日本での過熱ぶりも当然なのかもしれない。

 そんな一大ヒット・シリーズが始まったのは2001年。もともとは初作を監督したロブ・コーエンが、Vibe誌で改造車による公道での違法ストリート・レースについての記事を読んだことがきっかけだという。いわゆるドラッグレース(日本で言うところのゼロヨン)カルチャーを背景に、クライム・アクションなどの要素を加えて生まれたのがシリーズ第1弾「ワイルド・スピード」(2001年)だ。ダブル主演を張ったのはポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼル。LAを舞台にした物語はロス市警のブライアン・オコナー(ウォーカー)と、凄腕ドライバーのドミニク・トレット(ディーゼル)が潜入捜査の過程で出会い、やがてレースを通じて心を通わせていくというシンプルな物語だった。

 「トリプルX」(2002年)撮影のためにディーゼルが離れた続編「ワイルド・スピードX2」(2003年)をウォーカー主演で仕上げ、東京を舞台にしたサイド・ストーリー的な「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」(2006年)でシリーズは途絶えたかに思われるも、後者の監督を務めたジャスティン・リンと脚本のクリス・モーガンが続投した第4弾「ワイルド・スピード MAX」(2009年)にてドミニクとブライアンが揃い踏み。シンプルな友情ドラマとカーレース以上にド派手な演出の両輪を走らせる現実離れしたアクション映画として、ヒットの規模も桁違いな路線を確立し、現在に至るまでのスケールアップと人気の拡大は言うまでもないだろう。そして、撮影期間中にウォーカーの事故死(2013年)という悲劇に見舞われながらも最大のヒットを記録した「ワイルド・スピード SKY MISSION」を越えるべく、このたびの「ワイルド・スピード ICE BREAK」公開と相成ったわけである。

 F・ゲイリー・グレイ(「ストレイト・アウタ・コンプトン」)に監督が交替した今回の物語は、ドミニクとレティ(ミシェル・ロドリゲス)が滞在するキューバの美しい風景から幕を開ける。サイバー・テロリストのサイファー(シャーリーズ・セロン)に誘われてファミリーを裏切ることになるドムの心情はすぐに明らかになるが、彼を取り戻すためにレティやホブス(ドウェイン・ジョンソン)、ローマン(タイリース・ギブソン)、テズ(クリス“リュダクリス”ブリッジズ)、ラムジー(ナタリー・エマニュエル)といったファミリーが集結。静かに暮らすブライアンの力を借りることができない状況下、サイファーとドムの圧倒的な暴挙に立ち向かうべく選ばれた手段は、前作でファミリーを苦しめた最強の敵=デッカード(ジェイソン・ステイサム)と手を組むことだった……。

 前作での敵が味方になるという少年マンガ的な展開もシリーズではお馴染みのものだが、多少の強引さも迫力とスピードで振り切る豪快な説得力(?)はいつも以上だ。サイファーの万能すぎる作戦はいちいちド迫力だし、市街地から氷上までを爆走するカーアクションはもちろん、ロック様とトランスポーターの大暴れもあって肉弾アクション面もさらにパワーアップ。要所にブライアンへのオマージュも忍ばされ、悲しい別れも新たな出会いも盛り込んだ、最後の3部作のスタートを存分に堪能してほしい。そして、前作から“See You Again”が大ヒットしたように、今回もサントラには注目すべきで……。   【次ページに続く】

 

ワイルド・スピード ICE BREAK
【監督】F・ゲイリー・グレイ 【脚本】クリス・モーガン
【製作】ヴィン・ディーゼル、ニール・H・モリッツ、マイケル・フォトレル
【出演】ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、クリス“リュダクリス”ブリッジス、ナタリー・エマニュエル、エルサ・パタキー、ヘレン・ミレン、スコット・イーストウッド、カート・ラッセル、シャーリーズ・セロン 他
■原題:The Fate Of The Furious/2017年/アメリカ映画/136分
■4月28日(金)より全国公開
■配給:東宝東和 ユニバーサル映画

 

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