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KAYGEE'S Kilowatt De-Lite(1978)

3作目にして初のセルフ・プロデュース作ということで、冒頭の“Kay-Gee's Theme Song”から独り立ちしたバンドの心意気を伝える。前作に続いてフィリー録音だが、クール&ザ・ギャングの後追い的なイメージを払拭するかのようにコズミックな要素などを採り入れ、よりタイトなファンクを聴かせる。エレガントにして血湧き肉躍る“Tango Hustle”も痛快。 *林

 

CITI Roller Disco  De-Lite(1979)

全米でのローラー・ディスコ・ブームに便乗して組まれた男女トリオ唯一のアルバム。90年代にボブ・サンクラーとの共演で注目されるリー・ジェネシスのエネルギッシュな男声リードに女声コーラスが応えるファンキー・ディスコの表題曲、ジョルジオ・モロダー風ユーロ・ディスコなど、楽曲はひたすら快活で享楽的だ。エリック・ゲイルもギターで参加。 *林

 

CROWN HEIGHTS AFFAIR Dance Lady Dance De-Lite(1979)

ディスコ・ブームの爛熟を象徴するようなジャケはともかく、享楽の時代が去った雰囲気に対応して、華麗なNYサウンドへステップを進めた転機の一作。ガラージ・クラシックの表題曲など様相を変えたフロア・チューンも引き続き麗しいが、新加入のスキップ・ボードリーがリードを取った正統派のバラード“Empty Soul Of Mine”あたりも聴きモノだろう。 *出嶌

 

DAZZLE Dazzle De-Lite(1979)

プレリュードやサルソウルへの回答とでも言うべきディスコ・プロジェクト。その実体はリロイ・バージェスとスタン・ルーカスを中心としたインナー・ライフのディライト版といったもので、ジョセリン・ブラウンも別名で歌っている。“You Dazzle Me!!!”に代表されるダンサブルで華やかなNYサウンドがミラーボールの如く輝きを放つ、多幸感溢れる逸品だ。 *林

 

KAYGEE'S Burn Me Up De-Lite(1979)

ジャケでは陣容が変わっているうえに録音にはオリジナル・メンバーのクレジットもない謎の最終作。実態はダズル同様にパトリック・アダムスが身内のスタン・ルーカスらと形にした覆面アルバムのようだ。成り立ちはともかく中身はラテン色も濃くした強力なディスコ集で、ジェリービーンのエディットした表題曲プロモ・ヴァージョンのボーナス収録も嬉しい。 *出嶌

 

COFFEE Slippin' And Dippin' / Second Cup OCTAVE(2017)

70年代末にローカルでデビューしていたシカゴの女性ヴォーカル・トリオで、こちらは80年と82年のアルバム2枚にシングルのみの音源も加えたディライト時代の完全ベスト的な2in1盤だ。ルビー・アンドリュースを取り上げたガラージ・クラシック“Casanova”など流麗なダンス曲が中心だが、リオン・ブライアントを迎えて送るマーヴィン&タミーの“If This World”が至上。 *出嶌

 

CROWN HEIGHTS AFFAIR Sure Shot De-Lite(1980)

鍵盤奏者のハウイ・ヤングがに離脱するも、バート・デコトーをプロデューサーに迎えて80年代式のシンセ・サウンドにも目配せした一作(バーナード・ライトらがサポートで参加)。彼らのUKにおける最大のヒット“You Gave Me Love”を生むなど、欧州ウケしそうなNYスタイルはチェンジなどの音像にも通じる。日本では小沢健二やtofubeatsの元ネタを含む点でも有名か。 *出嶌

 

LEON BRYANT Leon Bryant / Finders Keepers OCTAVE(2017)

ジョー・バターン“Latin Lover”(80年)を書いて注目されたディライト後期のホープ、NY出身のリオン・ブライアント。これはレーベルに残した81年と84年のアルバムにボートラを加えてパッケージした2in1作品で、都会的な包容力を見せる男らしい歌唱とパーカッシヴな意匠の織り成す初作のロマンティズムに酔わされる。ソリッドなブラコン仕立ての2作目も最高。 *出嶌

 

CROWN HEIGHTS AFFAIR Think Positive! De-Lite(1982)

メンバーのレイモンド・リードたちが制作した80年代アーバン仕様のアルバムで、鍵盤でフレッド・マクファーレンらが助演。エレクトロなラップ曲やリック・ジェイムズ風ファンクも飛び出すが、ヴォーカルに重心を置いた内容は同時期のテンプテーションズにも通じている。キャミオのようなバラード“Heart Upside Down”など、初期の彼らとは別モノ。 *林

 

CROWN HEIGHTS AFFAIR Struck Gold De-Lite(1983)

レイモンド・リード&ウィリアム・アンダーソンがプロデューサーとして外に活躍の場を求めていった結果なのか、オリジナルのUS盤では5曲入りだったこちらがバンドの最終作に(今回のリイシューでは8曲入りのUK盤にボートラを追加)。前作の作りをさらにシェイプして小気味良いファンクやバラード、ラップの導入など、80年代的なバンドの在りようを模索した跡も窺える。 *出嶌

 

MOTIVATION Motivation De-Lite(1983)

ジャケの女性たちとは無関係なNYの男性6人組ヴォーカル&インスト・バンド。クール&ザ・ギャングにいたアール・トゥーンJrらの制作で、冒頭からレイクサイド風の重厚な鋭角ファンクが飛び出すが、“Please Don't Say No”のようなバラードではスウィートな歌ゴコロも発揮する。“Give The Gift Of Music”はタヴァレスに通じる爽快なディスコ・ブギー。 *林