エクスペリメンタルなアンビエント巨編となった前作『Principe Del Norte』を経て、従来の通し番号に戻った北欧のディスコ王子ことプリンス・トーマスのソロ通算5作目。音楽性のほうもクラウトロックやダブ、その他モダンなエレクトロニック・サウンドのさまざまなスタイルを散りばめながらも、しっかりとグルーヴィーなディスコ・サウンドへと回帰。バンド・サウンドへの憧れをディスコ化した軽快なオープニングの“Here Comes The Band”、BPM105のゆったりとしたビートをキープしながらシンセやギターの音色でじっくりと昂揚感を煽る“Villajoyosa”、冒頭から延々ノンビートで展開するオブスキュア・テクノ“Bronchi Beat”、オリエンタルなギターが印象的なディスコ曲“Lunga Strada”などなど、それぞれの楽曲が長尺でストーリーを持ち、かつハイクォリティーなトラックが目白押し。自身が新たに設立したレーベルからのリリースということもあり、気合いの入り方も違います。問答無用の名盤認定。