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【特集:OPUS OF THE YEAR 2017】100枚では語り尽くせない2017年の音楽トピック

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  • 2018.01.04

OPUS OF THE YEAR 2017
[特集]2017年の100枚+
ゆく年くる年。ゆく音くる音。ゆきゆきて音楽──2017年もいい作品は山ほどあった!という感慨を抱きしめながら、晴れやかに翼を広げて、新しい年へ飛び立つ準備はもうできていますか? 最高だった作品の数々をここで改めて振り返っておきましょう!

★bounce編集部の選ぶ2017年の100枚・前編 1⇒50
★bounce編集部の選ぶ2017年の100枚・後編 51⇒100

 


100枚では語り尽くせない2017年の音楽トピック

UKラップのハイブリッドな多様性

 前年のスケプタ『Konnichiwa』、2017年のストームジー『Gang Signs & Prayer』と、トップMCたちの決定的な作品が成功することで、完全にメインストリームの欠かせない一角となったUKのラップ・シーン。あらかじめ含有するカリブやアフリカ音楽の色はUS産品以上に濃いだけに、ハイブリッドな音のカッコ良さにはエッジーな独自性がある。他にもレッチ32やヤング・スプレーなど各世代が層を厚くしている様子も頼もしかった。

TINIE TEMPAH Youth Disturbing London/Parlophone(2017)

2017年はイエロー・クロウ曲でミーゴスとの合体も実現したテンパーは、多様なルーツゆえの引き出しの多さで十年選手の余裕を見せた。ウィズキッドを迎えた“Mamacita”とジェス・グリンやザラ・ラーソンとの歌モノ大ヒットとが普通に同居するあたりはブリット・ホップ世代ならでは。

 

J HUS Common Sense Black Butter(2017)

東ロンドン出身のガンビア系ラッパーによる初作。アフロ・ポップやダンスホール・レゲエを織り込んだユルいサウンドのイマっぽい気持ち良さがヒットしたことは、ドレイクらのマイルドな気持ち良さの源流を窺わせると同時に、UKラップ総体の盛り上がりと浸透を裏付けるものでもあったはず。

 

ディジー・ラスカルとの“Still Sittin' Here”(2014年)で注目された南ロンドンのMCもこの初作にてメジャー浮上。ギグズとの“Gossip”、スケプタとの“Way Too Much”といった先行曲よりも容赦ない鋭利なトラックが居並ぶ。初期グライムっぽさが痛快ななかにニュートリノの参加もあり!

 

DIZZEE RASCAL Raskit Dirtee Stank/Island(2017)

後進の活躍は、デビュー15年を間近に控えるヴェテランの奮起も促したか。どんなビートも器用に履きこなすフロウの持ち主だけに作品の内容は毎回異なるが、ここではカルドを大幅に起用してスロウ・グライム(?)的な聴き心地のバウンシーなトラップを披露。UK×US的なノリがかっこいい。

 

CHIP League Of My Own II Cash Motto/Kobalt(2017)

前作でUK版バウ・ワウなノリに転じ、一時はT.I.のグランド・ハッスルに籍を置いてもいた彼。タイニー・テンパーらとのビーフ通過後に放った本作では、トレ・ミッションらを迎えた攻撃的なグライム回帰も最高だが、“Snap Snap”などファナティックス製のダンスホール・レゲエが相性抜群!

 

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