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ESSENTIALS
モータウン60周年リイシューの一部!

BRENDA HOLLOWAY Every Little Bit Hurts Tamla/ユニバーサル(1964)

モータウン初の西海岸シンガーとして入社した美貌の歌姫。ハル・デイヴィスとマーク・ゴードンがメインで制作した同社での唯一のアルバムは大半が重厚なバラードで、17歳とは思えぬエレガントで大人びた歌を聴かせる。ヒットした表題曲は後にティーナ・マリーが歌い、アリシア・キーズもライヴ(盤)でカヴァー。“Unchained Melody”はライチャス・ブラザーズより先に歌っていた。 *林

 

EARL VAN DYKE AND THE SOUL BROTHERS That Motown Sound Motown/ユニバーサル(1965)

ファンク・ブラザーズのリーダーとして黄金期モータウン・サウンドを支えた鍵盤奏者が同僚を従えて録音したリーダー作。テンプテーションズやマーヴィン・ゲイらがヒットさせた当時のモータウン曲を既成のオケも使いながらオルガンで弾き倒したインスト盤で、表題通りの音が飛び出す。オルガンが主役となる演奏は、スタックスにおけるブッカー・T(&ザ・MG's)を連想させる。 *林

 

SHORTY LONG Here Comes The Judge Soul/ユニバーサル(1968)

その名は〈小さな巨人〉と解釈すべきか。29歳でこの世を去ったシンガー/ソングライターの初作。傍系レーベルのソウル第1号として発表されたブルース×ドゥワップ的な“Devil With The Blue Dress”(64年)や硬質なビートの“Function At The Junction”(66年)といった既発シングルを含み、全米TOP10ヒットとなったノヴェルティー・タッチの表題曲ではファンキーに勢い良く攻める。 *林

 

THE FANTASTIC FOUR Best Of The Fantastic Four Soul/ユニバーサル(1969)

入社したリック・ティックがモータウンに買収され、そのまま移籍となったデトロイトの男性4人組の初作にしてベスト盤。買収前に出していた66~68年のシングルをまとめたもので、インプレッショッンズ風味の“The Whole World Is A Stage”などジェイムズ・エップスの雄々しいリードが光る佳曲揃いだ。お蔵入りした71年の次作を含む編集盤『The Lost Motown Album』も必聴。 *出嶌

 

EARL VAN DYKE The Earl Of Funk Soul/ユニバーサル(1970)

名鍵盤奏者の2作目はナイトクラブでのライヴ実況盤。単独名義となるが、今回もジェイムズ・ジェマーソンやユリエル・ジョーンズを含むファンク・ブラザーズの仲間たちがサポートしている。ただ、楽曲はミーターズ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ベンE・キングなどモータウン以外のヒットが多数。“The Flick”のようなオリジナルのジャズ・ファンクにおけるグルーヴが格別だ。 *林

 

EDWIN STARR War And Peace Gordy/ユニバーサル(1970)

リック・ティックからの移籍組として二線級の扱いを受けていたナッシュヴィル出身シンガーが野太い個性を開花した4作目。ベトナム戦争を題材にしたノーマン・ホイットフィールド作の反戦歌“War”がここから全米No.1を獲得した。ニュー・ソウル前夜のサイケ感など曲調は多様だが、一人フォー・トップス状態で迫る“I Can't Escape Your Memory”などの男臭いアップが実にハマる。 *出嶌

 

KIKI DEE Great Expectations Motown/ユニバーサル(1970)

モータウン初の外国人シンガーとなったUKの白人女性による同社での唯一のアルバム。ユニオンジャックをあしらったジャケットのスウィンギン・ロンドン感も薄く匂わせながら、壮大なオーケストラをバックにミラクルズやデヴィッド・ラフィン、スティーヴィー・ワンダーらの曲をカヴァーし、オリジナル曲も歌う。越境型のポップ・ソウル感は70年頃のモータウン過渡期ならではか。 *林