2年ぶりの新作には特にコンセプトはないようで、馴染みのミュージシャンと気の向くままに音楽を紡いだ印象だ。ラップ風にも歌うフーディーニ“Friends”のカヴァー、という意表を突かれる冒頭も、その換骨奪胎ぶりと大きくうねる生音はンデゲ節としか言いようがないし、レゲエ~ダブ調の3曲では彼女らしく重たいベースを聴かせる。詩情に溢れた温かい歌声の包容力は過去最高で、気負いなく生んだ傑作といった趣だ。