デビュー30周年に放つ2枚組の新作。Disc-1はキヨサク(MOMGOL800)とTAKUMA(10-FEET)を招いた“Jamaica Ska”のカヴァーに始まり、祝祭的な“リボン”にフィーチャーした桜井和寿のほか峯田和伸や宮本浩次ら個性の強いゲストが並ぶ一方、夏の甲子園で話題を呼んだ習志野高校吹奏楽部がフレッシュさを加える。Disc-2はロックやラテン、ファンク、サイコビリーなどをミックスしたインスト集。曲中での大胆な展開や、リズム・パターンの細かな変化を通じてメンバーの卓越したスキルが存分に発揮されているし、9人が一丸となり叩き出すグルーヴは改めて言うまでもなく極めてスリリングで強靱だ。長年鍛え上げた芸事の極致としての美しさと持ち前のワイルドさを兼ね備えた、揺るぎない到達点。

 


歌モノ曲を集めたDisc-1とインスト曲を集めたDisc-2の二枚組仕様で、グループの音楽性を多角的にとらえることができる30周年記念盤。先行で公開され話題を呼んだミスチル桜井との“リボン”やチバユウスケとの“¡Dale Dale! ~ダレ・ダレ!”など、スカパラと言えばな豪華ゲスト陣とのコラボレーションは大きなトピック。とは言え何よりグッとくるのはやはり、現メンバー9名が作り出す鉄壁のグルーヴだ。〈どれだけ長くやってきたかなんてのはどうでもいいことで、そんなことよりも今日やっていて、今日最高なことがすごい〉といったことを甲本ヒロトが言っていたらしい……が、結成時からの〈異端〉な魅力を守りながらつねにポップでフレッシュな存在であり続けてきたこの大所帯グループにもそんな凄さがある。