デビュー25周年を迎えた彼女が初のデュエット集に挑戦。22年ぶり(!)の歌手復帰となるh-wonderこと和田弘樹、ノーザン・ソウル調の管弦入りポップスで手合わせした堂島孝平、黄昏色のフュージョン上で主役と艶やかに絡む原昌和(the band apart)と、楽曲提供と合わせてデュオ相手を務める面々もいれば、土岐麻子はTENDRE作・編曲のアーバンな小品で親密に声を重ね、内村友美(la la larks)は伸びやかなロック曲で姉妹のような好相性を見せる。ミュージカルで縁深い井上芳雄との劇的なバラードでの表現も流石だし、小泉今日子とのミディアム“ひとつ屋根の下”もユニゾン歌唱が痺れるほど麗しい。相手が誰であれ、みずからの個性を削ぐことなく馴染んでみせる──そんな魔法のような声に改めて驚く一枚。