メジャーでの3作目。打ち込みとバンド編成を使い分け、実験性とポップさを両立させる挑戦を推し進めつつ、よりパーソナルな表現に転じている。歌声には持ち前の蒼さに滑らかさが加わり、ギターは洒脱なコード進行にMPB的な軽やかさも感じられる。彼の音楽が纏う〈新しさ〉は、多面的な音楽性や先鋭性だけでなく、変化を続けることによるのだと実感した。