4年ぶり通算11枚目のアルバムはレーベルをメキシカン・サマーに移籍して初となる作品だ。プロデュースはウィルコの新作やディアハンターを手掛けたケイト・ル・ボンが担当している。デヴェンドラ自身が〈エレクトロニックでありながらオーガニックで温かみのある新しいサウンドをめざした〉と語っているように、これまでとは違うシンセサイザーを中心としたサウンドに驚き。彼のフォーキーなメロディーを損なうことなくスペイシーで壮大な世界観を作り上げており、感傷的な歌い方も含め、何かを悟ったような凄みすら感じさせる。どの過去作とも違う新境地のアルバムと言っていいだろう。