なんと12年ぶりとなった通算6枚目のアルバム。その間に向井秀徳はNUMBER GIRLを再結成~再解散し、その余波を感じる“チャイコフスキーによろしく”のような曲もなくはないが、バンドのシグネイチャーであるどこか都会的でいてアンダーグラウンドな匂いをまき散らす、異形なファンクの凄味はいや増すばかり。メランコリックだが不穏な“公園には誰もいない”など、詞には夕景、いわゆる逢魔が時の情景が多く描かれ、そこに荒涼とした都市の闇が滲む。その極致といえる“永遠少女”はバンドの新境地であるだけでなく、音楽でしか表現しえないリアリズムすら纏ったような恐るべき一曲だ。