大森靖子

79年のタワーレコード日本上陸以降、タワーを支えてきたファンへの35年間の感謝と共に、音楽やアーティストの持つ魅力を〈ライヴ〉という形で改めて伝えるアニヴァーサリー・ライヴ企画〈TOWER RECORDS 35th Anniversary Live! EBISU 6DAYS〉。タワーが展開するキャンペーン/イヴェント/フリーマガジンを各イヴェントのタイトルに冠し、11月17日から22日までの6日間連続で恵比寿・LIQUIDROOMにて開催中の同企画が、3日目を迎えた。ここでは、〈DAY.3~スペシャルタワレコメン~〉と題された11月19日のイヴェントの模様をレポート!


 

タワレコメンは、全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げるタワーの名物企画。今回は、そんなタワレコメンに選出されたさまざまなアーティストのなかから、スタッフ一押しの4組が集結したスペシャルな一夜となった。

コンテンポラリーな生活

トップを飾ったのは、大阪発の3人組で、新世代ギター・バンドの注目株として精力的な活動を展開しているコンテンポラリーな生活。3人とは思えない爆音を響かせた冒頭の“死なない声を探す”をはじめ、ジャキジャキと切れ味の鋭いギター、ゴリゴリでブっといベース、疾走する場面でもズッシリとした重みでボトムを支えるドラムスのアンサンブルでガッチリとフロアをロックしていた。最後に、今月にリリースされたばかりの初フル・アルバム『ヘドが出る前に』のタイトル・トラック“ヘドが出る前に”を演奏。多くの観客に〈もっと観たい〉と感じさせたであろう、あっという間のステージに目を奪われっぱなし!

おとぎ話

続いて、10年以上のキャリアを持ちながら、どこか少年性を漂わせる音世界で多くのファンを魅了しているおとぎ話が、お揃いのスーツでビートルズ“Good Night”に乗りながら登場。バスドラムやアンプを装飾する電球の灯りがほんのりとサイケ感を漂わせるなか、ライヴはちょっぴりセンチメンタルな“少年”でスタート。“ネオンBOYS”“Boys don't cry”といった人気曲や、ファースト・シングル“KIDS”、さらにフロントマンの有馬和樹に煽られた(?)牛尾健太のギター・ソロ・コーナーを挟みつつ、来年1月にリリース予定の新アルバム『CULTURE CLUB』の収録曲“COSMOS”でフィニッシュ。ロックンロールの魔法に魅せられうっとりするオーディエンスの姿も印象的だった。

黒木渚

後半戦の幕開けとなる3組目は、昨年に同名義でのバンドを解散し、ソロとして再スタートを切って以降も己の表現に磨きをかけ続けている黒木渚。そんなソロ・アーティストとしての彼女を象徴する一曲“革命”が高らかに始まりを告げたライヴは、ハンドマイクでステージを駆け巡った“フラフープ”から、初期からの人気曲“あたしの心臓あげる”まで、30分という短い時間ながらも多彩な選曲で展開。MCで来年に新作を発表することを解禁し、その収録曲“虎視眈々と淡々と”を初披露するというサプライズも! 髭の宮川トモユキをベーシストに迎えた新編成のバック・バンドの演奏もバッチリで、会場は気品と色気を兼ね備えた黒木の魅力に終始包まれていた。