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【NEW URBANe POP】Vol.8 CICADAの〈いま〉を閉じ込めた、初作『BED ROOM』ツアー・ファイナルのライヴ映像&レポ

 

 

今年2月にリリースされたファースト・アルバム『BED ROOM』を携えて全国各地を回り、計14公演をこなして4月10日に東京・渋谷Gladでのファイナルに臨んだCICADA。本ツアーを通じて積み重ねてきたからこその成果が発揮されつつ、一方でバンドとして〈完全体〉となるべく余白も残したパフォーマンスだったのではないかと思う――なんて冒頭から結論的なことを書いてしまったが、ここではそんな当日の模様を映像も織り交ぜて振り返ってみたい。

 

 

 

逆回転させたCICADAの楽曲群の切れ端をコラージュして(いるのではないかと思う……)ブレイクビーツに乗せたナイスなSEを背にしてメンバーが登場。ひとたびステージに上がればとびきり色っぽくなるヴォーカルの城戸あき子がラップを披露したイントロを経て、まずは最新作のリード曲となった“door”からスタート。スタジオ音源よりもタイトなビートが際立った演奏で、城戸は艶のある凛々しい歌声を震わせている。曲が進むなかでメロディアスさを増していき、“ふたつひとつ”へ繋ぐ流れもカッコイイ。

CICADAにおいては、アルバムの随所で聴ける繊細かつ緻密なサウンドがライヴでどのように表現されるのか、というのがポイントだと思っていたのだが、先の“door”然り、オリジナル以上に奥行きのあるサウンドを聴かせていた“フリーウェイ”などは、特徴的なドラムスもしっかり堪能できてライヴでより映える仕上がりに聴こえたのがまた興味深い。〈ほほ~、そういう感じなのか〉と感心していたなか、“ふたつひとつ”や“Colorful”といった心地良い爽快感を与えてくれる溌剌とした楽曲が挿まれたことで頭の情報整理(!?)も出来て、とてもバランスの取れたセットリストだったと思う。なかでもライヴの定番らしいネオ・ソウル調の“リコールミー”は演奏の安定感も含めてすごく良かった!

 

 

 

また、この日は本ツアー中に出来上がったというまだタイトルのない新曲も披露された。ドラマーの櫃田良輔が叩き出すこれまで以上に〈人力でそれか!〉という細やかなファスト・ビートと、それとは対照的なまるで海の中にいるかのように神秘性溢れるシンセ・サウンドの上を伸びやかな城戸のヴォーカルがたゆたうナンバー。うっとりしてしまうほどに素敵なメロディーも聴きどころなので、これは完成が非常に楽しみ!

 

 

 

イイ感じに温まってきたところだったが、“Naughty Boy”であっという間に本編ラスト。同曲で軽快に飛ばし、早くもアンコールへ突入する――キーボードの及川創介が今回のツアー・ファイナルに招いたLicaxxxPARKGOLFへ賛辞を贈りつつ、最後は個人的にこの日いちばん印象に残った“夜明けの街”へ。『BED ROOM』でもっともノスタルジックな情景を喚起するこの曲が問答無用に素晴らしく、すっかり聴き入ってしまった。歌も演奏も穏やかで、すべてを浄化するようなムードはライヴならでの温かみと相まって一層美しく……。

冒頭にも書いた通り、パフォーマンス的にはまだ余白を残しながら、もっと聴いてみたい!という欲求を掻き立てられる内容だった今回のステージ。しかしこの楽曲クォリティーで完璧なステージングを観せられたら、それこそ物凄いバンドになるってことだな……そんな姿を近い未来に期待しつつ、いまのCICADAのドキュメンタリーとしてこのレポートを残したいと思う。

 

 

【SETLIST】
1. intro
2. door
3. ふたつひとつ
4. Colorful
5. フリーウェイ
6. アウトライン
7. リコールミー
8. 新曲(タイトル未定)
9. Naughty Boy
EN. 夜明けの街

 

《CICADAのお知らせ》
5月20日(水)にiTunes限定で、今回のツアー・ファイナルにも出演したLicaxxxとPARKGOLFによるリミックス曲を収めた『BED ROOM/alternative』がリリース! Licaxxxは“月明かりの部屋で”、PARKGOLFは“Naughty Boy”を料理しているとのこと。さてどんな仕上がりになっているのか……お楽しみに!

なお、MikikiではCICADAとPARKGOLFの対談取材を敢行しました! いつか(いや、近日中に)公開するので、こちらも併せてお楽しみに!

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