INTERVIEW

シンセ・ポップの新鋭ORLAND、Negiccoや仮谷せいらなど多彩な歌い手を迎えて作り上げた全編日本語詞の新作EPを語る

シンセ・ポップの新鋭ORLAND、Negiccoや仮谷せいらなど多彩な歌い手を迎えて作り上げた全編日本語詞の新作EPを語る

 【Click here for English translation】
スタイリッシュなラヴ・コネクションは都会の瞬きと共に。シンセサイザーとトークボックスの導くグルーヴィーなパーティーが、多彩な仲間を集めて幕を開けたよ!

 ブラコンや90年代R&Bの再解釈は、ここ数年のさまざまな文脈に散見される動きだが、こうしたモードに呼応するサウンドを名古屋から発信し、注目を集めている新鋭がORLANDだ。彼らは3シンセ+1ドラムスという編成で、アーバンなグルーヴに彩られたシンセ・ポップを展開している。

 「ORLANDの前に同じメンバーでいわゆる〈バンド〉の形態で生音中心の音楽をやっていたんですが、結局普段聴いてる音楽がヒップホップやR&Bだったりのクラブ・ミュージックが多かったので、バンド名を変えて音楽性も変えちゃおう、ってのが結成の理由です」(平田豊、ギター/シンセサイザー/コーラス)。

ORLAND LUV CONNECTION E.P. PUMP!(2015)

 過去2枚のEPは英語詞ということもあり、海外インディー・ポップにも通じる質感の作品だったが、そこに込められたメロディーセンスや端正なプロダクションこそが多くの耳目を惹きつけたのだろう。自身のリリースと並行して、東京女子流らのリミックスやCM音楽といったメジャー仕事も担当。そうした活動を経て届けられた3枚目のEPが『LUV CONNECTION E.P.』だ。今作にはヴォーカルとして、彼らが楽曲アレンジを手掛けたこともあるNegiccoSugar's Campaignへの参加で知られるあきお、レーベルメイトの仮谷せいら、ネット配信曲でバズを巻き起こした綿めぐみの4組が参加。賑やかなキャスティングが、バンドのカラフルなセンスをより多彩に引き立てている。

 

 

 「ライヴや作曲活動をしていくなかで、自然に仲良くなったり、好きになったりするアーティストがいままでよりも多くなってきました。その人たちに歌ってもらいたいとか、こういう曲を書きたいって気持ちが、このEPを作ることになった大きな理由です。フィーチャリングのラインナップを並べてみたときに、結果的に〈文化〉だったり〈シーン〉が見えてきたりしてますね。そういうところに自分たちがいるんだ/いたんだって認識してもらえれば、と思います」(大迫佑磨、ヴォーカル/トークボックス/シンセサイザー)。

 全編が日本語詞であることも大きな特色だろう。ゲストを迎えていない唯一のナンバー“Back In The Days”はメンバー自身が初めて日本語で歌った曲。トークボックスも多用する彼らだが、ここでは生の歌でロマンティックな光景を描いている。

 「もともと日本語詞でやってみたかったので、これがいいタイミングだと思ってチャレンジしました。ボソボソ歌ってリヴァーヴ深めの〈雰囲気モノ〉じゃなくて、歌詞がわかるようにはっきりと、さらに思いっきり歌っています。それがいまの気分なので」(大迫)。

 そんなニュー・ジャック風味のメロウ・チューンをはじめ、Negicco自身の作風にも寄り添う爽快なハウス“Do-De-Da~Trimond Negimina~”、「現代版の織田裕二!」(大迫)と思ってあきおに歌を依頼したというソウルフルな“Trust Me!”など艶やかなグルーヴを湛えた全5曲は、いずれもJ-Popとしての堂々たる風格を備えている。

 「ここ最近よく聴いている、80年代や90年代の歌謡曲にインスパイアされているんだと思います。あと今回はフィーチャリング・アーティストに対して、自分が描く〈キャラ〉や〈イメージ〉に寄せて制作したことも影響していると思います」(大迫)。

 「ライヴでカヴァーしている横山輝一さんや角松敏生さんなどから受けてる影響も大きいと思います」(八木稔、ドラムス)とのことだが、フラットに影響源を取り込むところにいまのムードとORLANDらしさを強く感じる。翻せばJ-Pop志向というわけではなく、興味の矛先を素直に掘り下げた結果生まれたのが、このすこぶるキャッチーな一枚なのだろう。

 「(今後は)日本語詞にしろ英語詞にしろ、どちらかとは思ってないですね。楽曲によって表現の仕方だったり、伝わりやすさだったりで選んでいくんじゃないかと思っています」(大澤智弘、ベース/コーラス)。
 

次ページNext page: English Translation
40周年プレイリスト
pagetop