Tidalの誤配信によって瞬時にその音源が世界中へと広がってしまうという、かなりイレギュラーな形で発表されてしまったリアーナの新作。そんな〈事件〉すら味方につけた彼女が本作で示すのは、逞しい自分の意志だ。デビュー時から世話になってきたデフ・ジャムを抜けて自主レーベルを立ち上げたリアーナ。ドレイクとのシングル“Work”で見せるのはこれまでにないほどプリミティヴな姿だし、“Higher”ではかつてなくブルージー。そして、“Kiss It Better”や“Love On The Brain”で狂おしいラヴソングを歌う姿は、まるで何かから解放されたよう。タイトルが示す通り、彼女自身の反骨心が強い意志へと昇華されている。テイム・インパラの“New Person, Same Old Mistakes”をカヴァーしているのも、ポップ・ディーヴァであることを強いられたこれまでの体制への反発からだろうか。自分の心の声に従うままに紡ぎ上げた、ネクスト・レヴェルのポップ・アルバム。