柳家さん喬と言えば、品があって人情の機微が細やかに活写される人情噺に人気がある噺家だが、実はそれ以上に味があるでは?と思って来たのが師匠の滑稽噺なのだ。今回発売されたCDには、人間の愚かしさや滑稽味が存分に活写された「笠碁」(思わずクスリ)と、人間の業の深さと正直さがダイナミックな語り口で伝わって来る「寝床」(思わず大爆笑)と、同じ滑稽話でも随分変化に富んだ2席を収録して、さん喬流滑稽噺ワールドを堪能出来る内容となっている。これを聴けば〈なるほど、あの柳家喬太郎の師匠!だね〉と合点も行くはず。是非若い落語ファン(喬太郎ファンに多い?!)にお勧めしたい。