downyunkieのギタリストが10年の制作期間を費やしたという初のソロ・アルバム。数千トラックのギターのみで構築された本作は、〈Lost in Forest〉というホラー(もしくはSF)映画のサウンドトラックといった趣だ。ギター・シンセサイザーなどを用いて加工された独自の音色でクラシカルな物悲しい旋律が奏でられたかと思えば、その一方では暴力的なノイズ・ギターが唸り、なかにはまるでオーケストラやガムランのように聴こえるサウンドもあったりと、曲ごとにさまざまな場面が展開される。また、要所にはゲストも招かれ、DEAD ENDMORRIEが存在感のある声色で物語の水先案内人を担当すれば、“Witch Hunt”ではDIR EN GREYが音素材を提供。終曲はSUGIZOの激しくも儚いヴァイオリンと共に締め括られる。リリース元は近年交流のあったVirgin Babylon。主宰のworld's end girlfriendの最新作『LAST WALTZ』同様、ひたすら自身と向き合うことで作り上げられた、ギター・アルバムの極北と言えよう。