INTERVIEW

坂本龍一や大友良英の新作を初披露! 作曲家・藤倉大が監修する〈新しい耳〉のための音楽イヴェント〈ボンクリ・フェス〉開催

坂本龍一や大友良英の新作を初披露! 作曲家・藤倉大が監修する〈新しい耳〉のための音楽イヴェント〈ボンクリ・フェス〉開催

藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務める“新しい耳”のためのボンクリ・フェス――“Born Creative” Festival 2017

 飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍中の作曲家、藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務める一日限りの音楽祭が5月4日、東京芸術劇場にて開催される。その名も“Born Creative Festival”、略して「ボンクリ」。17時半に開演するスペシャル・コンサートには、デイヴィッド・シルヴィアン坂本龍一武満徹大友良英らによる作品がプログラミングされ、藤倉と交流のある気鋭の音楽家たちが次々登場して演奏する。ジャンルに関わらず、アンテナを高く張っている音楽リスナーなら必ずや気になるであろうラインナップについて、藤倉に話を聞いた。

 「ライヴで、しかも一曲だけ聴くなんて、普段なら絶対に出来ないような作品が並んでいますよね。たとえばヤン・バングは、ノルウェーの“プンクト・フェスティバル”という、ジャズやエレクトロニカなどの即興演奏を軸にした音楽祭を立ち上げた人なんですが、プンクトに行きたいと思ったら、オスロから飛行機を2回も乗り継がなければならない。そんな彼らがボンクリでは、伶楽舎による武満徹の《秋庭歌》の次に登場し、その演奏を即興でライヴ・リミックスしてくれます。それ一曲だけなんて、なんとも贅沢ですよね」

 今回のプログラムの目玉のひとつとして、坂本龍一の新作がライヴで世界初演されることが挙げられるだろう。

 「これはまったくの偶然で、ある日坂本さんから楽譜制作ソフトのことで問い合わせのメールが来たんですよ。『大くん、このように直すにはどうしたらいいの?』って。そこで、『ちなみにこの曲、ライヴでできますか?』って聞いてみたら、『ああ、いいよ』って。それで今回、アンサンブル・ノマドの演奏でやることになりました。そのほかに、子どもの頃から聴いていた《thatness and thereness》を僕がオーケストレーションした版も、同じくノマドで演奏します」

 藤倉が大ファンだという、大友良英の新作(世界初演)も楽しみだ。

 「大友さんとはニアミスばかりで実際にお会いしたことはないのですが、SNSでのやり取りはあって、今回も“大友さんの作品を取り上げたいのですが、アンサンブル・ノマドの今回の編成に合う曲でなにかありますか?”と聞いたら、“新しい曲を書いてもいいですか?”って返事が来て。“もちろん!”ということになりました」

 デイヴィッド・シルヴィアンとのコラボレーション・アルバム『ダイド・イン・ザ・ウール~マナフォン・ヴァリエーションズ』からの《THE LAST DAYS OF DECEMBER》では、ソプラノの小林沙羅がヴォーカル・パートを歌う。

 「男性の歌手にしたら歌真似になってしまうので、デイヴィッドとは全然違う声にしようと思いました。彼は自分で歌うライヴよりも、こうして作品だけが取り上げられ、別の音楽家によって演奏されることが、なによりも嬉しいと思います。楽譜を見せたら“読めないけど美しい!”って感動していました」

 夕方からのスペシャル・コンサートのほかに、昼間のプログラムも大充実。0歳から楽しめるものや無料コンサート、作曲教室も予定されている。

 「コンサート以外の関連プログラムとして、“ペルー音楽の部屋”や、電子音楽が流れ続けている“リュック・フェラーリの部屋”など、いろいろな仕掛けを用意しています。“ポーリン・オリヴェロスの部屋”では、聴き手と演奏者が一緒になって作る音楽も。僕は福島県の相馬で作曲教室をしているのですが、子どもたちの作曲するスピードって本当にすごいんですよ! 人間はみんな、生まれたときは天才なんだと思います。そんな子どものままのクリエイティビティを持った音楽家たちが集うフェスということで、“Born Creative Festival”と名づけました」

 ゴールデンウィークに、家族揃って“新しい音”に触れに行ってみてはいかが?

 藤倉大の2015年作『Mina』トレイラー映像

 


LIVE INFORMATION

ボンクリ・フェス2017
“Born Creative” Festival 2017
アーティスティック・ディレクター:藤倉大(作曲家)

○5/4(木・祝)
■スペシャル・コンサート17:30開演
出演:アンサンブル・ノマド(指揮:佐藤紀雄)/伶楽舎/クレア・チェイス(フルート)/ヤン・バング(エレクトロニクス)/ニルス・ペッター・モルヴェル(トランペット)/小林沙羅(ソプラノ)/藤倉大(エレクトロニクス)大友良英(ターンテーブル)/永見竜生[Nagie](サウンドデザイン)
曲目:デイヴィッド・シルヴィアン/藤倉大(共同作曲):Five Lines (ライブ版世界初演)、The Last Days of December(ライブ版世界初演)
坂本龍一:新作(ライブ版世界初演)
武満徹:『秋庭歌一具』より 第4曲 「秋庭歌」「秋庭歌」ライブ・リミックス
マデルナ:ひとつの衛星のためのセレナータ
大友良英:新作(世界初演)
坂本龍一/藤倉大編曲:thatness and thereness(アンサンブル版世界初演)
藤倉大:フルート協奏曲(アンサンブル版日本初演)
会場:東京芸術劇場 コンサートホール

■関連プログラム
「ペルー音楽の部屋」:イルマ・オスノ(協力:笹久保伸
檜垣智也による「リュック・フェラーリの部屋」
ヤン・バング&ニルス・ペッター・モルヴェルによる「ノルウェーの部屋」
クレア・チェイスによる「ポーリン・オリヴェロスの部屋」ほか

■誰でも楽しめる! 無料アトリウムコンサート
出演:伶楽舎(雅楽アンサンブル)、福川伸陽(ホルン)、村治奏一(ギター)、本條秀慈郎(三味線)ほか

※出演者・曲目等が変更になる場合がございます。
www.geigeki.jp/performance/concert107/

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