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BNQT『Vol.1』

BNQT『Vol.1』

あのバンドのフロントマンたちが大西洋を跨いで集結! さあさあ、豪華な宴が始まるよ!

〈晩餐会〉を意味する名前を掲げたこのBNQT(バンケット)は、全メンバーが人気バンドのフロントマンという豪華さを誇る。ラインナップは、USからミッドレイクのエリック・プリード、約10年ぶりのアルバム『Last Place』も記憶に新しいグランダディのジェイソン・ライトル、そのジェイソンのプロデュースで最新作『Why Are You OK』を作ったバンド・オブ・ホーセズのベン・ブリッドウェル、そしてスコットランドからトラヴィスのフラン・ヒーリーと、フランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノス。ツアーなどで全員と親交を深めたエリックが呼び掛け人となり、各自2曲ずつリードを担当しながら、ミッドレイクの演奏陣のバックアップを得てレコーディングしたのが、このたびのファースト・アルバム『Vol.1』である。

BNQT Vol.1 1965/HOSTESS(2017)

 全編ライヴ感が満々で、和気藹々としたセッションの光景が思い浮かぶのだが、ホーンやストリングスを交えて、1曲1曲細やかにアレンジとヴォーカル・ハーモニーを練っており、結果的には参加者の本業バンドとは似て非なるサウンドに着地。アメリカーナとチェンバー・ポップが交錯するミッドテンポ&メロディアスな70s調のロックに、独自のアイデンティティーを見い出している。フラン以外の3人が声を絡ませる“Real Love”は、そんなBNQTのエッセンスを凝縮した出来映えだ。かつ、アレックスの“Hey Banana”のシアトリカリティー、ジェイソンが同じフレーズをひたすら繰り返す“Failing At Feeling”のメランコリー、フランが歌う“Mind Of A Man”のジャングリーなスタイルなど、どの曲にも歌い手の個性をさりげなく反映。ずばり〈現代のクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング〉と呼ぶに相応しいこのスーパー・バンド、『Vol.1』というからには第2弾も期待したい。

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