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『THE GUERRiLLA BiSH』の進化を読み解くサブテキストたち

COLDPLAY 『Viva La Vida Or Death And All His Friends』 EMI(2008)

『THE KiLLER BiSH』の示す新基軸という意味で、明快な変化を感じさせるのは“My landscape”でしょう。雄大なサウンドスケープは松隈ケンタの好きなU2的でもあり、U2に寄せた時のリンキン的でもあり……とはいえ、やはりコールドプレイがイメージされるところ?

 

銀杏BOYZ 『DOOR』 初恋妄℃学園(2005)

GOING STEADY解散後の峯田和伸が新たに組んだバンドの、“夢で逢えたら”も収録した初作。チッチ作詞の“ろっくんろおるのかみさま”には〈夢で逢えたら〉の一節もありますが、彼女にとってのそれはやはり峯田(やサンボマスターの山口隆)だそう。

 

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 『cult grass stars』 TRIAD(1996)

チバユウスケをフロントに擁し、スタイリッシュにしてプリミティヴなロックを鳴らした名バンドの初作。BiSHでいえば“デパーチャーズ”もミッシェル感バリバリでしたが、新作に収録された“SMACK baby SMACK”もそのものズバリなカッコ良さで相通じています。

 

THE YELLOW MONKEY 『THE YELLOW MONKEY IS HERE.』 コロムビア(2017)

JxSxKの敬愛するバンド。その再結成とBiSの再始動が同年に起こったのは偶然かもですが、“スパーク”のオマージュに続き、今回のBiSHは思わせぶりな同名異曲を2つ披露しています。〈ニュース〉をキーにした“JAM”、〈なんだか不安なんだ〉と歌う“パール”……。

 

PUBLIC IMAGE LTD. 『Live In Tokyo』 Virgin(1983)

年明けに控えるツアーは〈BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR〉で、ファイナルが中野サンプラザというのは、初来日公演を同会場で行ったPILに引っ掛けた表題に間違いないでしょう。BiSHもやがてはポスト・パンク期に突入していくのでしょうか……?

 

BiS 『うりゃおい!!!』 avex trax(2014)

策士……もとい作詞家JxSxKらしい思わせぶりの極致は、『THE KiLLER BiSH』を清しく結ぶ“FOR HiM”でしょう。表題を仏語訳すると〈pour lui〉となりますが、JxSxKいわく「プー・ルイへのラヴソングをBiSHが歌うのがいいかと思って(笑)」とのこと。この人は……。