ゆう姫のヴォーカルとJAMAPURの緻密なトラックメイクが絶妙のアンバランスで結合し、含みのある映像的な音世界を立ち上げるYoung Juvenile Youth。Phaseworks発の12インチを経て一昨年のEP『Animation』で脚光を浴びた二人だが、その後の『Hive/In Blue』などいくつかの配信シングルを経てここに初のフル・アルバムを完成させた。鮮やかなジャケさながらに彩度を微調整し、ノイズの瞬きやリズム・パターンを多様にしつつも、当世流のトリップ・ホップと呼んで差し支えないアーティスティックな電子トロニカの魅力的な音世界は変わらず。Campanellaのラップをフィーチャーした“When”を過去になかったアクセントとしつつ、今回も全体のトーンは平熱を保った穏やかな歌唱の支配力に委ねられている。