ミロクレコーズ
京都の秘境を彷徨うようなサイケ・ポップ × 2!

本日休演 『アイラブユー』 ミロクレコーズ(2018)

 京都のインディー・シーンで異彩を放つ2バンドが、東京を拠点とするレーベル、ミロクレコーズから新作を同時にリリース。まず、本日休演『アイラブユー』は、OMSB(SIMI LAB)と入江陽がゲスト参加。民族音楽やヒップホップ、サイケなどさまざまな要素を呑み込みながら、全体をロックの昂揚感で貫いている。これまでよりプロダクションが丁寧に作り込まれているのも特徴だが、なかでも昨年急逝したメンバーの埜口敏博が生前録音した音源を細かにエディットし、それに合わせてバンドが演奏した曲の数々には愛が詰まっている。

 

接近!UFOズ 月の征服 ミロクレコーズ(2018)

 もう一枚は、本日休演のギタリスト、佐藤拓朗が率いる接近!UFOズの『月の征服』。こちらは、ダブやエレクトロの要素を導入。ロックンロールの甘酸っぱさとサイケデリックな音響が融け合うなか、どこかノスタルジックな叙情を漂わせる。本日休演とは兄弟バンドとも言える関係だが、どちらも自由な実験精神とユニークなポップセンスが息づいていて、京都の秘境を彷徨うような作品だ。