ビョークやスフィアン・スティーヴンスとの共演歴もある作曲家ニコ・ミューリーとアントニー・アンド・ザ・ジョンソンズのメンバーでありクリス・シーリのプロデュースも手掛けるトーマス・バルトレット。ともに81年生まれの音楽家の共演盤は現代音楽家コリン・マクフィーがバリのガムランを採譜しベンジャミン・ブリテンとともに録音した楽曲とオリジナル曲を収録した作品。ガムランの旋律を奏でるピアノ曲が、アルバム・リーフにも通じる夢見心地なウィスパーヴォイスや電子音の連なりに遠い記憶の様に差し込まれる。これはミニマル・ミュージックの系譜における美しきミッシング・リンクかもしれない。

 


ダヴマンことトーマス・バートレットとビョーク仕事で名を馳せる現代作曲家のニコ・ミューリー。彼らの初共演盤は、ガムランの音色やリズムからインスパイアされたという旅絵巻的な仕上がりに。エキゾティックなイメージとメディテーショナルな空気が有機的かつ緩やかに結び付き、地面からゆっくりと離れるような感覚を味わわせてくれる。とことんミニマルで、どこまでも美しい異型のポップ・ミュージック。