INTERVIEW

TOWA TEI インタヴュー バカリズム、砂原良徳とともに、新生Sweets Robots Against The Machineが16年ぶりに覚醒!

TOWA TEI インタヴュー バカリズム、砂原良徳とともに、新生Sweets Robots Against The Machineが16年ぶりに覚醒!

バカリズム、砂原良徳とともに、新生Sweets Robots Against The Machineが16年ぶりに覚醒!

 テイ・トウワのスピンオフ・プロジェクト、Sweets Robots Against The Machine(以下:SRATM)が16年ぶりに覚醒! THE BEATNIKSの最新作に次いでベターデイズ・レーベル第2弾リリースとなる本作の題名はいたってシンプルな『3』ときた。操縦席を覗き込めば、今回乗組員は3名である模様。よく目を凝らすとほかの2名はなんとバカリズムと砂原良徳ではないか。なるほど“3”という数字はやはりテイさんと切っても切れない数字なのかも、なんて思わずニヤリとしてしまう。

SWEET ROBOTS AGAINST THE MACHINE 3 Columbia(2018)

 「あまり深い意味合いはないんですけどね。でも好きな数字ではあるかな。三角形はさまざまな面においてファウンデーションになっているし、ウチも息子がいて3人家族だったりするし。あと息子って“サン”だよな、と思ったりもして。実はアルバムのイラストって表1以外は五木田(智央)君の10歳の息子が手がけているんですよ」

 アルバム制作の経緯だが、吉岡里帆とのラジオ共演がきっかけで誕生したポエトリー・リーディング曲《RADIO》が出発点になったという。そこからポエトリー・リーディングにトラックが付いたミニマルな音楽に興味が芽生え、この方法論で1枚アルバムができるかもと思いつく。そこで思い出したのが、前から親交のあったバカリさんとの『いっしょに何かやろう』という約束のこと(彼とは裏方気質という性格面で気があったそう)。そしてこのおもしろい組み合わせの妙をより広げるべく呼ばれたのが、METAFIVEのチームメイトでもあり、SRATMの常連であるまりんだった。かくして新生SRATMはデコラティヴな要素なども含め、以前よりもいろいろとパワーアップしてよみがえったのである。

 「今回はバカリさんが主に詞の世界観を構築しています。注文したことといえば、耐久性と普遍性のあるものを書いてもらいたいということぐらい。お笑いと音楽の融合ってことでスネークマンショーを意識したんじゃないか?って思われるかもしれないけど、あれはコントの合間にイケてる音楽が挟まるスタイルで、音楽と笑いが並走している構造だから。ここではポエトリー・リーディングが目であり、顔なんです。バカリさんのフレーズの多くはビートのグリッドに影響されて出てきたものだけど、彼は『ビートに急かされる感じがあった』って言ってましたね」

 「とにかくテンプレートのない音楽作りをめざした。新しいお笑いとも、また新しいミニマル・ミュージックとも言える」といった評価を下すテイ氏だが、音楽的要素の過積載ぶりというか、常識範囲からの大胆な食み出しっぷりはいかにもSRATM的だなと思ってしまう。夏帆とのシュールな掛け合いが展開する《ダキタイム》、IPPONグランプリ的なネタが繰り広げられる《非常識クイズ》ほか笑って和めるエレクトロニック・ポップが満載で、麻生久美子をデュエット相手に起用したムード歌謡調の《捨てられない街角》はKOJI2000の延長線上の曲だと言えるかも、とか考えたりして。そこに吉岡里帆のキュートなヴォイスが響き渡る《レイディオ》が挿入されたりするのだから(テイ氏曰く『愛されて育ったことがわかる品の良い声。末恐ろしい二十代ですよ』)、このうえなくカラフル。さらに付け加えると、アナログ盤サイズのスッキリ感と凝縮感があるところも魅力だ。

 「1作目のときはファースト・ソロを真面目に延長したところがあり、自分のなかでは役割を終えた感があった。2作目はいま聴くとこってりラーメンみたいというか、ヴォリュームがあり過ぎてイマっぽくないと思う。で、今回はファーストからセカンドへの流れにおける成長をまったく無視したような、ひょっとしたらこうなり得たかもと思えることもあって、ジャケットがファーストのオマージュにしたんです」

 いま自分のなかの“こうあるべき”というグリッドを外した状態で作ったという『3』は、作品全体を包むあけっぴろげな開放感もまた大きな魅力だと言えよう。16年ぶりに復活したSRATMはより自由闊達なポップ・ミュージックを紡ぎ出している。

 「16年間ずっと放っておいたSRATM。ベターデイズもまた長きにわたって眠っていたレーベル。たまたまだけど、復活する受け皿があったってことでしょうか。とにかく20年後に珍盤扱いされたらいいなと思ってます」

 


テイ・トウワ (TOWA TEI )
1990年にDeee-Liteのメンバーとして、全米デビュー。その後活動の拠点を日本に置き、1994年に1stソロ・アルバム「Future Listening!」をリリース。DJと並行して制作も精力的に続ける。2017年にはNHKドキュメンタリー番組「草間彌生 わが永遠の魂」の音楽を担当し、9枚目のソロ・オリジナルアルバム「EMO」をリリース。

 


LIVE INFO

「3」発売記念 DJ TOWA TEI出演イヴェント
○8/4(土)@SOUND MUSEUM VISION
○8/18(土)@京都CLUB METRO

columbia.jp/SRATM/