TVアニメ「ピアノの森」第2シリーズは待望のショパン・コンクール本選も!
一色まことの同名マンガを原作とするアニメ「ピアノの森」は、森に棄てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った主人公・一ノ瀬海(カイ)が、様々なライバルたちとの出会いの中でその才能を開花させていく音楽ドラマ。本作は劇中のピアノ演奏を気鋭のピアニストたちが担当して話題を呼んでいるが、カイのピアノの師である阿字野壮介を担当する、現在のクラシック・シーンを代表する反田恭平もそのひとり。物語は第1シリーズ(Netflixで独占配信中)の終盤でカイが幾多の試練を乗り越え、ショパン・コンクール出場を果たしたところまで描かれ、2019年1月からNHK総合テレビで放送予定の第2シリーズでは本選の行方が気になるところ。現在ショパン大学に在学中の反田にとっても、本コンクールは身近な存在であるはずだ。
反田恭平「誇張している部分もあるけれど、出場者の心情やコンテストの舞台裏、何よりもワルシャワの街並みやホールなどの建物の描き方が細部まで超リアル。かつて天才ピアニストだったという阿字野のピアノを演奏するのを自分でも楽しんでいます。文字通りピアノで彼を演じているかんじ……彼らしさを大切にしている」
そしてコンクールで有力な優勝候補となるパン・ウェイを担当するのは同じ中国出身、12歳でサントリーホールにて初リサイタルを行い、名門ジュリアード音楽院で研鑽を積んだ牛牛(ニュウニュウ)。
牛牛「大きなコンクールには出たことがないので、本作で初めて体験しています。アクが強く他人と協調することのできない彼が、世界の檜舞台で他の候補者の演奏を聴いてショックを受け、勝ち負けではなく音楽への情熱を互いにシェアすることから学び、成長していく姿を第2シリーズでは期待しています。ちなみにこれまででお気に入りのシーンは、彼が炎に包まれながらスケルツォの第3番を弾く壮絶な場面(笑)」
パン・ウェイの知られざる過去や阿字野との因縁も見どころだが、実際にスキャンダラスな話題の多いコンクールだけに、審査員の駆け引きなどにも注目。
反田「自分も今後、出場するかどうかはわかりませんが、政治的な面や個人の思惑も存在するだろうし、コンクール向けの演奏っていうのもあると思う。でもカイにはそれらを超越したプレイがある。才能が全て、彼がルールになるってことを、一色さんは描いている」
牛牛「やはりショパンの音楽そのものが物語の主役ですね。誰が聴いても理解できるシンプルさを持ちながら、永遠に聴いていられる美しい旋律。それだけに演奏が難しいのですが、あまり自分のスタイルに固執するのも良くない。競い合うのは人間の本能ですが、いい音楽を作ろうとする気持ちこそが大切なのです」