ロンドンの老舗プラネット・ミューからデビューEP『Reflection Space』(2016年)をリリースしたプロデューサー・トリオによる待望のフル・アルバムが着弾。制作に丸2年をかけたという本作には、現行のUKベース~グライム・シーンで鳴らされている最新鋭のビートを搭載した14のトラックを収録。持ち味であるフレッシュでサイファイなシンセ・サウンドにはより磨きがかかり、ダブ~トラップ~IDMの要素が変幻自在に顔を覗かせるビートメイキングには進化の跡が如実に見受けられる。彼ら自身、映画やゲームのための音楽制作を生業にしており、そこからのフィードバックがあるのだろう。お行儀の悪いサウンドのなかでもバランスの取れた逸脱感を見せているというか、完成度はすこぶる高い。