ゴダールの新作「イメージの本」が公開された。このゴダールが〈オフの映画〉を撮る作家と呼ぶデュラスとの三回に及んだ対話を収録したのがこの本、「ディアローグ デュラス/ゴダール全対話」だ。デュラスの映画のような〈オフの映画〉を制作したゴダールは、デュラスとの関係をコインの裏と表、敵同士の姉弟と対談の中で漏らしている。決して交わることのない同じもの、ということをいいたいのだろう。オフの映画とは、映像の中に現れる発話の声ではなく、映像について語るナレーションの声、つまり映像の外の声による映画。この対話もデュラスはGのデュラスに答え、ゴダールはDのゴダールに応じる。オフのダイアローグ。