新作の質感にCHIRALIと通じる他アーティストの作品をまとめて紹介

 本文中にある通り、テクノ・ポップをはじめとした日本のニューウェイヴ感をほんのりと匂わせたAZUMA HITOMIの新作。そうした質感を共有するリリースが同時期に続くので、まとめて紹介しよう。

 まずは、「日本の70~80年代のニューウェイヴの、ど真ん中の曲」だという“電波ジャック”を初作で披露し、その後もカヴァー曲などを通じてAZUMAと近い嗜好を明示してきたパスピエ。徐々にバンド感を強めているものの、到着したばかりのフル作『幕の内ISM』でも特徴的なシンセ使いにルーツがくっきりと。

 また、ヒカシュー的なエキセントリックさを纏ったサウンドで独自の少女観を提示するアーバンギャルドと、サブカル好きが狂喜しそうな面々による新ユニット=xxx of WONDERもこのタイミングで作品を発表。後者は(M)otocompoのDr.Usuiがトラックを手掛けている、と言えば本項でど真ん中の音楽性だと伝わるのでは?

 それから、先月届いたさよならポニーテールのメグのソロ・ユニット、メグとパトロンのファースト・ミニ・アルバムも、オリエンタルな旋律やファミコン的な電子音が顔を覗かせるフューチャー・ダンス・ポップ。

 その方向なら、坂本龍一もそのタレントを認めるトベタ・バジュンがテクプリに続いて送り出すCupitronも初期のPerfumeを想起させる〈あの頃の未来感〉を振り撒き、アニメ・シーンに目を向ければ、YMOや戸川純らを擁したアルファのエンジニア陣を招くというこだわりを見せたTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによる「ウィッチクラフトワークス」のサントラも。

 そして、7月には福間創(元P-MODEL)によるsoyuz projectの最新作『perspective』にも参加していたnOrikOことPOiSON GiRL FRiENDの20年ぶり(!)となるアルバム『rondoElectro』も登場。要チェックな作品はまだまだ控えている模様だ。

 

▼関連作品

左から、パスピエのニュー・アルバム『幕の内ISM』(unBORDE)、アーバンギャルドのニュー・アルバム『鬱くしい国』(徳間ジャパン)、xxx of WONDERのファースト・ミニ・アルバム『WONDER of WONDER』(SHIBUYA GIRLS POP)、メグとパトロンの2014年のミニ・アルバム『メゾン・ド・メグ』(AWDR/LR2)、2014年のコンピ『テクプリ・トリビュート ~テクプリ Happy Ever After~』(teepot)、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによる2014年のサントラ『「ウィッチクラフトワークス」オリジナルサウンドトラック』(ランティス)

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