And yet BiSH moves.
大阪城ホールの熱狂とドラマが待望の映像作品化!

 年を重ねるごとにグングン上昇を続けているBiSHだけに、ちょっとやそっとのことで驚かされはしないが、結成から5年目を数えた2019年の活躍ぶりは、彼女たちを長年追いかけている人の目にもひときわ眩しく映ったはずだ。

 ツアーと先行EP配信を両軸に話題を大きくした久々のフル・アルバム『CARROTS and STiCKS』やシングル『KiND PEOPLE/リズム』のヒットはもちろん、人気番組「アメトーーク!」で〈BiSHドハマり芸人〉が放送されるなど、一般メディアへの露出も急増。そうやってマスへ進出する一方で〈お遍路〉などのユニークな企画に力を入れていたのも彼女たちらしかった。

 それ以外の音楽活動だけで見ても……アユニ・Dはソロ・プロジェクト=PEDROのフル・アルバム『THUMB SUCKER』で独自の世界を描き、ハシヤスメ・アツコは快曲“ア・ラ・モード”で賑々しくソロ・デビュー、アイナ・ジ・エンドはSUGIZO“光の涯”やジェニーハイ“不便な可愛げ”などの客演で成果を上げ、セントチヒロ・チッチは自身がキュレーションするイヴェント〈THAT is YOUTH!!!!FES〉を開催。BiSHとしても東京スカパラダイスオーケストラのトリビュート盤や香取慎吾“FUTURE WORLD”に参加している。

 これまで音楽シーン~アイドル・シーンにおけるオルタナティヴとしてカウンター的な異彩を放ってきた彼女たちではあるものの、これはもう純粋にトップ・アーティストの仲間入りを果たしたと言ってもいいだろう。そして、そんなBiSHの華々しい広がりをシンプルに担保してくれるのが、いつだって6人の繰り広げる情熱的なライヴ・パフォーマンスそのものであるのは言うまでもない。