カナダのマルチな才人による3作目。別プロジェクトのスラッカデリックスも含め作風の多彩さを誇るが、今作でもブロークン・ビーツ風に疾走する9分強の長尺曲“Keep Up”やモータウン・オマージュ“Love Fool”などで意欲的に幅を広げる。そして、グレン・ルイスを迎えたジャズ使いの“Number 1”に象徴される、ネオ・ソウルの滋味とヒップホップの強度の両方を含んだ楽曲群こそが聴きどころであり、変わらない美点だ。