〈茅ヶ崎ライブ2023〉を目前に、3ヶ月連続配信のフィナーレを飾る新曲“Relay〜杜の詩”をリリースしたサザンオールスターズ。この夏に発表した“盆ギリ恋歌”、“歌えニッポンの空”はともに話題となり、デビュー45周年という節目をバンド自らで大いに盛り上げてみせた。

そんな盛り上げ上手なサザンから届いた新曲“Relay〜杜の詩”は、前述した2曲から一変、東京は神宮外苑の再開発問題をきっかけに書かれたメッセージソングとなっている。2023年の夏を締めくくる上で、なぜ桑田佳祐はこの曲を書いたのか? 音楽ジャーナリストの原田和典が考察する。 *Mikiki編集部

サザンオールスターズ 『Relay〜杜の詩』 タイシタ(2023)

歌詞に込められた〈普遍的な人々の思い〉

ひときわ暑く長く、まるでサバイバルゲームの様相を呈していた今年の夏に届いた清涼剤こそサザンオールスターズのデビュー45周年を記念した連続配信リリースの数々だった。〈故郷/ふるさと〉を共通のキーワードにした音作りは実に多彩、なおかつしっかり親しみやすい。妖しげなセクシー風味もある“盆ギリ恋歌”、ポップスの王道に立ちかえったような“歌えニッポンの空”に続く第3弾にして完結編となるのが、2023年9月18日にリリースされた“Relay〜杜の詩”である。

タイトルに登場する〈杜〉は、サザンが結成以来使用し、第二の故郷と称してきたビクタースタジオを含む一帯を示しているという。スタジオ設立はサザンのデビューに9年先立つ69年であるそうだから、超のつく老舗である。壁や地面には数えきれないほど多くの音楽家たちの努力や達成感が染みこんでいるに違いない。

そんなビクタースタジオも建つこのエリアが、昨今話題の〈明治神宮外苑の再開発計画〉の対象となってしまった。と書いても、その地に縁のない人には興味の薄い話題かもしれないが、“Relay〜杜の詩”の歌詞に込められているのは「わかるように説明してほしい」という〈普遍的な人々の思い〉だ。