読み応え抜群のクインシー・トゥループ著のマイルス自伝。1989年に原著が出て以来、幾度か版を重ねてきた。実際のインタヴュー素材がマイルス自身の完全モノローグという形で記述されているせいで、どの言葉も妙なリアリティがある。今回は原著にあった貴重な写真群の掲載が初めて実現、翻訳者である中山康樹氏自身が「より先鋭的な文章」になるように再び手を入れ、ニュー・ヴァージョンとして生まれ変わっている。ジョン・コルトレーンビル・エヴァンスジミ・ヘンドリクス等数々のミュージシャンが“マイルス目線”で語られてゆく内容は興味津々。そして、追悼、中山康樹氏(本年1月没)。

【参考動画】マイルス・デイヴィス“So What”のパフォーマンスの模様