離婚や入院に端を発する大スランプ期を脱したザック・コンドンが、4年ぶりに帰還。以前ほど異国情緒は露でないものの、そのぶんバンド・アンサンブルに徹底してこだわったサウンドは、路上演奏のようなライヴ感覚に溢れていて新鮮だ。全体を覆う陽光めいた眩い雰囲気は、長く暗いトンネルを抜けたザックの心情そのものだろう。豊潤なロマンティシズムの奥に、前向きな芯の強さを秘めた会心作。