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2015年を南国気分に塗り替えたアイランド・フレイヴァー

 本国では〈レゲエ・フュージョン〉と分類されるR・シティの音楽性。カリブ音楽のリズムや歌唱マナーなどをポップに解釈し、大昔から周期的に脚光を浴びてきたスタイルだが、よく考えればショーン・キングストンからアイヤズにまで至った往時のブームにもトーマス兄弟は関わっていたわけで、昨年のマジック!などもあってポップ・フィールドが南向き(?)になっていた時勢にR・シティがブレイクしたのは必然なのかもしれない。

 

 で、その範疇から2015年のメインストリーム・シーンを改めて振り返ってみると、同じく〈レゲエ・フュージョン〉と括られるジャマイカ系のシンガー、オミーが真っ先に思い浮かぶところだろう。数年かけて世界をトリコにしてきた“Cheerleader”の躍進にはフェリックス・イエンのリミックスが不可欠だったが、そのヴァージョンで採られたのが、カリビアンな意匠も施してビーチ風味の緩やかなダンス・ビートに仕立てられた〈トロピカル・ハウス〉だ。そのスタイルで作られたジャスティン・ビーバー“What Do You Mean?”も話題になっただけに、今後もポップ・フィールドで幅を利かせていくかもしれない。いまのところ直接関係はないものの、R・シティの“Locked Away”も早速トロピカル・ハウスのリミックスが作られていた。