多彩なゲスト・ヴォーカリストを迎えての新作がリリース! 電子の魔法でエモーションに火を灯した、現在進行形のエレクトロ・ポップがここに

 いわゆるテクノ・ポップ~ガーリー・エレクトロ華やかなりし2008年に配信のみでデビュー、2012年に初のCD作品『EVOLUTIONAL FORM』を発表して以来、コンスタントに作品を送り出してきたCANDLES。サウンド・クリエイターのtessyとヴォーカルのpepeから成るこの男女ユニットは、主催イヴェントの〈Tokyo eleport〉などを通じて自身のサウンド世界を推進しながら、ここ数年はtessyのプロデュース・ワークでも支持を広げてきた。約1年前に発表した『Adam In Aventure』もacospoon+)やSaoriiiiiらをゲスト・ヴォーカルに迎えた充実の内容となっていたが、このたび登場した5枚目のミニ・アルバム『Still...』も複数のゲストを交えたタイトな6曲入りに仕上がっている。

CANDLES Still... Tokyo eleport/On-do(2016)

 いつも以上にバキバキな序曲“Me Love”にサンプリング・ヴォイスという形で参加したのは、tessyも関与した『I'LL BE BACK』での活動休止を経て昨年カムバックしたアイラミツキ! 続く“Just Run No Matter What”では前作にも登場した謎の男性シンガー・koji of easyがエモーショナルな歌声を響かせる。さらに“Selfish”には岡山で活動するS-QTY:RCAI、“City Nights”には女子大生ロボットクリエイターの近藤那央(ミスiD2015)をそれぞれフィーチャー。いずれもエレキュートなイメージを裏切らない出来映えだ。

 一方、他曲の作詞も手掛けているメンバーのpepeが単独でリードを担当したのは2曲。そのうち表題曲“Still...”はピアノの牽引するリリカルなダンス・チューンで、ラストを飾る“Anything for you”は現行EDMにもリンクする陶酔感バリバリの快曲――と、CANDLESとしても開放感に溢れた新境地と言えそうだ。そんなわけで今回も申し分のない内容だが、この粒の揃いっぷりを思えば流石にそろそろフル・アルバムに期待したくなる。