最前線へ見事に返り咲いた前作『Four』。そこでの強固なアンサンブルにブロック・パーティの安定を確信したのも束の間、この5作目は2名のメンバーを入れ替えた新体制で作られた。グループに残ったラッセル・リサックケリー・オケレケがもともと始めたバンドなので原点回帰とも取れるが、アプローチは大きく変貌。それは〈讃美歌〉を意味するタイトルからも窺えるだろうか。淡い多幸感が注ぐオープニング・トラック“The Love Within”やゴスペル・ライクな“The Good News”など、憂いのあるメロディーと厚いコーラスを立たせ、ガラージ経由のダンサブルなサウンドを展開。ケリーのまろやかで慈悲深い歌唱が絶妙にハマっていて、彼のソロ作『Trick』の続編的な楽しみ方もできそうだ。