全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、SuchmosD.A.N.WONK、洋楽ではカイゴホイットニーレモン・ツイッグスといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメのアイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお伝えする特集を連載中! 今回は2017年1月度の洋楽編をレポート!!

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タワーレコード渋谷店にて行われたタワレコメンの会議。洋楽担当の腕利きバイヤーたちがオススメのアイテムを持ち寄り、会議室へ集まります。今回も何百タイトルという新作のなかから選ばれた、計9タイトルの音源を聴き比べ、熱い議論の末にタワレコメン・アイテムを絞り込みました。厳しい予選を勝ち抜いたのは……以下の3タイトル!!

 

★2017年1月度〈タワレコメン〉洋楽編:選出アイテム

いきなり満場一致で〈タワレコメン〉の座を獲得したのは、なんと12歳のシンガー・ソングライター、グレース・ヴァンダーウォールのファーストEP『Perfectly Imperfect』。昨年、USはNBCの人気オーディション番組〈America's Got Talent〉で優勝を果たし、辛口で知られる音楽プロデューサーのサイモン・コーウェルも〈未来のテイラー・スウィフトだ〉と絶賛した逸材です。ウクレレの弾き語りを基調にしたシンプルなサウンドですが、自在に緩急をつけて紡いでゆくメロディーと、時折びっくりするほどに大人な表情を見せる少し掠れた歌声の深みに、無限の可能性を感じずにはいられません。↓に〈America's Got Talent〉出演時の動画を貼っていますので、ぜひチェックしてください!

GRACE VANDERWAAL Perfectly Imperfect Syco/Columbia(2016)

 

続いて、UKはレディング出身の4人組、サンダラ・カルマのファースト・アルバム『Youth Is Only Ever Fun In Retrospect』。テンプルズブロッサムズといった昨今のサイケ・ポップな潮流にありつつ、フロントマンであるオスカー・ポロックの艶めかしい歌声にはスウェードブレット・アンダーソンを彷彿とさせる瞬間も。またリード曲“Flame”のダンサブルなビートとアンセミックなメロディーは初期ザ・ミュージック級のスタジアム感があり、これは期待のニューカマーではないでしょうか! 推薦バイヤーも〈UKロックのど真ん中を闊歩するサウンド〉と猛アピールしていました。

SUNDARA KARMA Youth Is Only Ever Fun In Retrospect RCA(2017)

 

最後は、デンマークはコペンハーゲン出身の4人組、コミュニオンズの初作『Blue』。2014年のファースト・シングル“Cobblestones”以降、甘いギター・サウンドと瑞々しい歌声を武器にインディー・リスナーを虜にしてきましたが、ついにフル・アルバムの登場です。現在、同作より公開中の“Come On, I'm Waiting”“Eternity”などを聴く限り、これまでの蒼い疾走感はそのままにメロディーの存在感が破格に増している印象。リアム・ギャラガ―を思い出させる巻舌ヴォーカルも相まって、初作『Definitely Maybe』前夜のオアシスが発していた〈この瞬間のロックンロール・スター〉と言うべきオーラを彼らも纏まっているように思います。会議スタッフも〈このバンドをいまレコメンしなくてどうする!〉と息巻いていました。

COMMUNIONS Blue Fat Possum/Hostess(2017)

 

1月度の選考を勝ち抜いたのは上記の3作品! グレース・ヴァンダーウォールはリリース済み、サンダラ・カルマは1月6日、コミュニオンズは2月3日のリリース予定です。入荷状況は店舗により異なりますので、気になる方はお近くのショップへお問い合わせください。次回は2017年2月度のレポートをお届けしますので、お楽しみに!

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