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多才すぎる鈴木正人の仕事ぶりを覗いてみよう

 自身のバンドであるLITTLE CREATURESのほか、ベーシスト/アレンジャー/プロデューサーとしてさまざまなアーティストの作品に関与する鈴木正人鬼束ちひろの『シンドローム』はもちろん、秦基博藤原さくらUA汽葉ケイスケなど、オーガニックな質感を持つ作品のミュージシャン・クレジットで名を見掛ける機会も多い彼だが、本項ではとりわけ編曲/プロデュースに携わった近作をご紹介。

 まずは、総合サウンド・プロデューサーに就任した松本隆のトリビュート盤『風街であひませう』。やくしまるえつこや草野マサムネスピッツ)ら豪華アーティストが参加した本作では、特に包容力のある情感を湛えた手嶌葵中納良恵の参加曲あたりが鬼束のリスナーに刺さりそう。また、中村中の最新アルバムやたなかりかによるJ-Popのジャズ・カヴァー集は、アレンジのアプローチは多彩ながら、しっとりとした品の良さで主役の豊かな表現力をアシスト。その点において、鬼束の新作と通底していると言えるだろう。

たなかりかの2016年作『Japanese Songbook 2』のダイジェスト動画