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さよならの向う側―ZION.TとCRUSHの最新モードを観にソウルまで行く懲りない面々2

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  • 2017.04.21
さよならの向う側―ZION.TとCRUSHの最新モードを観にソウルまで行く懲りない面々2

結局このブログではレポートできていなかったのですが、ほぼ2~3か月に一度はソウルで何かしらのライヴを観るようにしている近年。今年に入ってからは、2月にはJAY PARK率いるAOMGのクルー公演(と夜中にDEAN先生のライヴ)を極寒のなか観に行き、今月は向こうの若手(?)R&Bシンガーが何組か出る〈SOUL STATION〉なるイヴェントがソウルのYES24 LIVE HALL(もともとAX-KOREAだったところ)で行われたので、サクッと馳せ参じました。こちらのイヴェント、なんと大好物のZION.TとCRUSHが一同に会すという一石二鳥な催しだったので、今回はそれについて書いてみようかと。

この〈SOUL STATION〉はこの2人のほかにも注目株のBABYLONをはじめ、何組か出演していたのですが、可哀そうに前座のような扱いだったので割愛します。ちなみに、BABYLONは歌も上手いし、ダンスもできる(この時は踊ってなかったけど)。いまのヘアスタイルを含めて、どこか2010年頃のテヤンみたいだったということだけお伝えしておきます。がんばってほしいです。

BABYLONの2017年のミニ・アルバム『S.S.F.W.』収録曲“Ocean Drive”
 

そういえば、2015年にZION.TとCRUSHがコラボ作『Young』をリリースしたタイミングで行われた、〈ふたりのビッグショー〉的なライヴをレポートしましたね、私。

 

その時と同様に両者ともにバンド編成でのステージでしたが、当時とはメンバーも編成もガラッと変わっております。

まず登場したのはCRUSH。
実は昨年11月に最新EP『Wonderlust』を引っ提げたソロ公演も観ているので、現CRUSHバンドは体験済みでしたが、彼が好きな人は渡韓してでもぜひ観ていただきたいくらい、いま本当にイイです!

当日のCRUSHのライヴ映像、ファンカムなので歌っている人しか映ってません
 

編成はギター、ベース、ドラムス、鍵盤、DJに加えて3人のホーン隊。ま~この人たちがめちゃめちゃ上手くて、それだけでも観る価値があるんじゃないかというくらい。たぶんほとんどジャズの人っぽいです。ドラムの音はデカイし、ホーン・セクションも入れば一気にゴージャスになるっちゃなるのですが、それだけにあらず。すっかりフュージョン化した“Oasis”(ギタリストは完全に高中正義)、スムースながらパンチの効いたAOR仕様の“Woo Ah”、オープニングなど随所でハード・バップ・マナーを採り入れた “Sometimes” (ここでも韓国の高中正義の見せ場アリ)、そして『Wonderlust』で全面的に活躍していた紅一点の鍵盤奏者ホン・ソジンによる物悲しいピアノと歌の絡みに震えた“You And I”、波の音でも聴こえてきそうなレイドバックしたベース&ギターのデュオ演奏~ピアノ・ソロでしっとりと始まる“I Fancy You”という、一連の流れは最高すぎました。

と、アレンジや演奏の素晴らしさもさることながら、特筆すべきは主役のエンターテイナーぶり。2年前とは格段に違う! 別人か! バンドと戯れながら、言葉なんてわからなくても自然と笑みがこぼれるようなコメディー的要素も盛り込み、とことん楽しませる術を手に入れたようです。そういったこれまでになかった頼もしさを覗かせつつ、いまだ抜けきらない少年性がBBA心もくすぐるのです……。本当に、いま観ておいたほうがいいですよ。

CRUSH:SET LIST
1. 2411
2. Crush On You
3. Whatever You Do
4. Oasis
5. Woo Ah(우아해)
6. Sometimes(가끔)
7. You & I
8. I Fancy You
9. A Little Bit
10. Hug Me

CRUSHの2016年のEP『Interlude』収録曲“Woo Ah (우아해)”
 

そして、ZION.T。
ZION.Tのちゃんとしたライヴを観るのは、先述のジョイント・ライヴ以来なので2年ぶり。Mikikiでもよく登場する、私のフェイヴァリット・ピアニストでZION.Tの作品/ライヴでお馴染みなユン・ソクチョルさんのソロ公演にシークレット・ゲストでZ氏が登場するという、かなりレアな現場で生歌を拝聴したことが昨年ありましたが(あれ最高だったな……)。エニウェイ、とにかく久々で、パイナップルみたいな頭になっていたソクチョルさん以外はメンバーも編成も変わっています。ギター、ベース、ドラムス、DJに、コーラス3人。ここだけの話、ここだけの話ですよ、ごくごく私個人の意見としてはですよ、以前バックを務めていたセカンド・セッション&DJ SOULSCAPEの布陣がしっくりきていたので、無念……。いろいろ事情はあるのでしょうけど、無念……個人的には! エクスキューズがしつこくてすみません。

セカンド・セッション&ソクチョルさんがバンドだった時。アレンジはそんなに変わらないのですが……
 

さて、ライヴ内容はというと、CRUSHのパワフル極まりないサウンドとは対照的に、こちらはシンプルなバンド・アレンジ。個性的なZION.Tの歌を盛り立てる、小粋な演奏で彼のパフォーマンスを支えていました。近年の楽曲を除くと、セカンド・セッションがバックを務めていた時代とそこまでアレンジの違いはなかったような気もしますが、なかでもだいぶ渋めな編曲の前半戦が良かったですね。賑やかな原曲から打って変わってジャジーに仕立てられた“Babay”あたりはめっちゃカッコ良かったし、ピアノとベースと歌だけでしっとり始まりつつ、まさかのラテンなリズムに展開していく“Eat”もおもしろかった。そして終盤はいつものPRIMARY曲で派手に畳み掛けていき、アンコールはみんな大好きなヤンファテギョ~♪で締め。やっぱりイイ曲。

しかしそこでこのイヴェントは終わらない。ZION.TとCRUSHが一緒に出るならやるでしょ!と言わんばかりに、最後はCRUSHもふたたび登場して、ソクチョルさんの鍵盤と共にコラボ曲“Just”を披露。タイム感が非常に難しい曲だからか、一緒にサビを歌っていた女の子たちによるだいぶ前のめりな歌唱で中断されたりなど、ライヴ感溢れる展開はいろいろ台……失礼、ご愛敬でしたね……。まあみんな楽しそうだったのでいいけれど……。
(´-`).。oO(楽しく歌うのは全然いいものの、TPOというものもある……)

そして私はやはり、ソクチョルさんの鍵盤が気になって仕方がない悪いクセ(?)が炸裂。なんて心洗われる音を奏でる人なんでしょう。MCの最中に後ろでポロポロ弾いている音すら最強に心地良くて、喋っている主役に対して〈ちょっと黙っててくれないかな〉的な気持ちになったり……好きすぎて頭がおかしくなっているようです。
(´-`).。oO(ソクチョルさんのソロ・ピアノでスタンダード集とか出してくれないかな……)

ユン・ソクチョル・トリオの2016年のライヴ映像
 

ちなみに、ZION.Tはいまアルバムをいま作っているみたいですよ! 年内にはリリースされるのか? 次こそ日本盤も出るのかな……YGさんよ。


ZION.T:SETLIST
1. O
2. Doop
3. Babay
4. The Song(노래)
5. Eat(꺼내 먹어요)
6. 도도해
7. ?(물음표)*PRIMARY’s song
8. See Through *PRIMARY’s song
9. Spin Spin(돌아버려)
〈encore〉
1. Yanghwa BRDG(양화대교)
2. Just(그냥)*ZION.T & CRUSH

ZION.Tの2017年作『OO』収録曲“The Song (노래)”
 

ということで、最近の2人のステージを軽くレポートしてみました。
そして、3年に渡って牛歩的に更新してきた私のブログもこれが最後! いつの間にか韓国モノのブログと化していましたが、あんまり他で出ないようなネタなので、まあいいかなと思ってチマチマと書いていた次第です。最後のテーマがこれというのも、自分、ブレてない! ただ、編集部を去るにあたっての心残りは、ZION.Tに取材したかったなー、ということでしょうか。とはいえ、これからも全力で取材する気マンマンなので……誰か(笑)!

正直、興味のある人がどれだけいるのかはわからないのですが、K-Popから知る人ぞ知るアンダーグラウンドのミュージシャンやDJまで、マジでナメんなっていうくらいクォリティーが高くて良いアーティストが、韓国にはジャンルを問わずたくさんいます。だから聴く人ももっと増えてくれたらいいな~というのが願い。最近は中国もおもしろい人たちが多いことに気付いたし、なんにせよアジアはいま注目ですね。

と……どう終わればいいかわからなくなってきたので、さよならのかわりにこの歌でお別れしたいと思います。ありがとうございました!

【プロフィール】
加藤 直子

加藤 直子

東京都渋谷区出身のMikiki編集部員。タワーレコード入社後、書籍の制作をする部署を経て、bounce編集部へ配属に。なんやかんや楽しい経験をしていまに至る。もはや〈どういう音楽が好きなんですか?〉と訊かれることが結構しんどい雑食リスナーかも。大きくなったらメルボルンに住みたい。

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