COLUMN

ニコール・アトキンスやダン・ゼインズ、そしてナッシュヴィルのニュー・ウェスト・レーベルが向かう先にあるものは?

【特集:KNOCK ON THE DOOR Chapter 2】Pt.3

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  • 2017.10.27

KNOCK ON THE DOOR Chapter 2
[特集]理想の〈アメリカ〉を求める旅は続く
米国はどこへ向かう? 未来に希望を見い出せないなら、心の故郷に、古き良きあの頃に帰ればいい。アメリカーナは絶対にあなたを裏切らないのだから……

★Pt.1 COURTNEY BARNETT & KURT VILE『Lotta Sea Lice』
★Pt.2 JULIEN BAKER『Turn Out The Lights』
★Pt.4 ディスクガイド

 


 

NICOLE ATKINS

 本誌でもことあるごとにニコール・アトキンスの魅力を喧伝してきたつもりだが、いまだに日本での知名度は驚くほど低い。とはいえ、このたびのニュー・アルバム『Goodnight Rhonda Lee』は彼女の最高傑作と言って良いばかりか、インディー・アメリカーナとしても優れた内容なので、ぜひ多くの人に聴いてもらえればと懲りずに思っている。

NICOLE ATKINS Goodnight Rhonda Lee Single Lock(2017)

 2008年のデビュー時よりUSルーツ音楽をモダンに解釈してきたニコールが、ここではより明瞭な形でそれを提示。特にクリス・アイザック(!)と共作したオープニング・トラックは、ロイ・オービソン調の泣かせるメロディー、ストリングスやペダル・スティールが美しく舞い上がるバック演奏、そして主役のケレン味たっぷりでソウルフルな歌唱が三位一体化した名曲で、アルバムのカラーを決定付けている。ほかにも女性コーラスを交えたアッパーなリズム&ブルースや、ルイーズ・ゴフィンとの共作による60s風のポップ・チューン、軽快なホーンが煌めくメロウ・グルーヴ、ペギー・リーばりのジャジー・バラードなどを収録。スタイル自体は多彩な本作を強いて一言で表現するなら、〈現代版のカントリー・ソウル〉といった感じか。独特のハイブリッド感覚により、どんな曲も自分色にエグく染めてしまう天性のセンスが冴えに冴えた一枚。こういう我の強そうな女が一番好きだ。 *北爪啓之

関連盤を紹介。

 

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