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デメトリア・マッキニー『Officially Yours』 歌う女優が本領発揮のソウルフルな歌唱でアルバム・デビュー!

【特集:RETURN OF SONGSTARS】Pt.3

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  • 2017.11.30

RETURN OF SONGSTARS
[ 緊急ワイド ]R&Bに浸る秋と冬

★Pt.1 CHRIS BROWN『Heartbreak On A Full Moon』
★Pt.2 ELIJAH BLAKE『Audiology』
★Pt.4 BRIAMARIE『432』
★Pt.5 112『Q Mike Slim Daron』
★Pt.6 ERIC ROBERSON『Earth』『Wind』『Fire』
★Pt.7 ディスクガイド

 


DEMETRIA McKINNEY
歌う女優が本領発揮のソウルフルな歌唱で待望のアルバム・デビュー!

 

 タイラー・ペリー映画に出演していた女優……と言っても日本ではピンと来ないかもしれないが、ミュージック・ソウルチャイルドとの“Still Believe In Love”やダ・ブラットとの“100”といったシングルを放ち、ライフ・ジェニングス“Talkin About Love”に客演していたシンガーとしての彼女を知る人は少なくないだろう。上記共演者からも推測できるようにアトランタで活動するデメトリア・マッキニー(出身はニューメキシコ州アルバカーキ)は、2011年に“Get Yo ..Ish”でデビューするもアルバム・リリースには至らなかった。が、ここにきて初アルバム『Officially Yours』を発表。

 

DEMETRIA McKINNEY Officially Yours RTD/eOne(2017)

 エグゼクティヴ・プロデューサーには2015年にシングル“Unnecessary Trouble”で共演したエクスケイプのキャンディが名を連ね、ジャジー・フェイを招いたシアラっぽい懐かしめのバウンス“Kissin”を収録するなど、アトランタR&Bの地脈を受け継いだような内容となっている。しかもこれは無意識だろうが、先行曲“Easy”にはロリータ・ハロウェイが70年代にアトランタのアウェアで吹き込んだ“Cry To Me”を引用するというソウル・ファン泣かせの仕掛けも。悲しみをこらえるように歌うロリータの原曲を彷彿とさせる歌唱の色香は、シンガーとして苦節6年、38歳でのアルバム・デビューという遅咲きによってもたらされたと言えるかもしれない。制作陣では、J・ホリデイやラトーヤ・ラケットらを手掛けてきたトラヴィス・チェリーがメインとなってデメトリアの歌を生々しく引き出す。そして、以前ボビー・クリスティーナの伝記TV映画でホイットニー・ヒューストンを演じた彼女は、ホイットニーの“You Give Good Love”を原曲の瑞々しさを再現するかのように伸びやかに歌い上げる。さらにボーナス・トラックとして、かつてステファニー・ミルズがミュージカル版「The Wiz」で初めて歌った“Home”もカヴァー。歌える女優の系譜を継ぎながら余技じゃない本気の歌でシーンに斬り込んできた。

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