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ブリアマリー『432』 フィラデルフィアの瑞々しい新鋭

【特集:RETURN OF SONGSTARS】Pt.4

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  • 2017.11.30

RETURN OF SONGSTARS
[ 緊急ワイド ]R&Bに浸る秋と冬

★Pt.1 CHRIS BROWN『Heartbreak On A Full Moon』
★Pt.2 ELIJAH BLAKE『Audiology』
★Pt.3 DEMETRIA McKINNEY『Officially Yours』
★Pt.5 112『Q Mike Slim Daron』
★Pt.6 ERIC ROBERSON『Earth』『Wind』『Fire』
★Pt.7 ディスクガイド

 


BRIAMARIE
フィラデルフィアの瑞々しい新鋭

 

 タッチ・オブ・ジャズから独立して良心的なR&Bを作り続けるアイヴァン・バリアス&カーヴィン・ハギンズといえば、ミュージック・ソウルチャイルドの元ブレーンといった印象が強い。そのチームによる制作でミュージックを迎えた“Okay”で注目を集めたのがブリアマリーだ。出身はワシントンDCながらフィラデルフィアのテンプル大学に進学。往時のネオ・フィリー勢への憧れもあってアイヴァン&カーヴィンにみずからコンタクトを取り、彼らが主宰するエシカル・ミュージックと契約を結んで2012年にデビューを果たした彼女は、2枚のEPと1枚のアルバムを経て、既発曲を含む新作『432』を発表した。アイヴァン&カーヴィンが大半の楽曲を手掛けたアルバムとしてはフェイス・エヴァンス『The First Lady』を思い出すが、ブリアマリーの新作も2000年代半ばに出ていても違和感のない、当時のR&B然とした企みのないポップネスが心地良い。

 

BRIAMARIE 432 Ethical Music/BIG TIX(2017)

 アルバムの表題は癒しをもたらす周波数〈432Hz〉にちなんだもので、歌の内容としては、決して明るくはなかった学生時代の体験も反映し、兄弟愛の街フィリーらしく(?)広い意味での友愛をテーマにしているよう。“Brother Sister”というタイトルのハネたビートのミッド・チューンもある。ヴォーカルは時にキュートで女学生的な親しみやすさがある一方、どこかクールな雰囲気もあり、適応力も十分。ネオ・フィリーとの繋がりで言うならヴィヴィアン・グリーンに近いが、初期にはDJジャジー・ジェフを迎えた“French Fries & Apple Pies”というラップ曲も披露していた彼女はラップのスキルも上々で、それを軽々とやってのけるあたりはいまのR&Bシンガーらしい。アルバムでの話題曲はやはり先述の“Okay”で、これはミュージックとメアリーJ・ブライジの“Ifuleave”を彷彿とさせるバラード。狙うは全国区のスターだ。

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