INTERVIEW

音楽に本気の人となら誰とでも向き合える―三宅伸治×フラワーカンパニーズ、清志郎支えた男の魅力と30周年トリビュート盤を語る

VA『三宅伸治デビュー30周年トリビュートアルバム「ソングライター」』

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  • 2017.12.22

清志郎さんとはたくさん曲を作らせてもらったけど、“JUMP”はやっぱり特別(三宅)

――今回フラカンとしては“ガマン”をカヴァーしていますが。

三宅「フラカンはMOJO CLUBの曲をやりたいって言ってくれて。MOJOの曲はすでに他のアーティストで何曲か決まってたけど、代表曲の“ガマン”がまだ決まってなかったから、僕の方から提案したんです」

鈴木「本当は“SAD SONG”もやりたいと思ってたんだけど、この曲はもっと重要な人がやるだろう、俺たちが手を挙げちゃいかんぞ、って思って」

MOJO CLUBの88年作『A-LIVE』収録曲“ガマン”
 

MOJO CLUBの90年作『社会復帰』収録曲“Sad Song”。『ソングライター』ではYO-KINGがカヴァーした
 

三宅「でも、フラカンの“ガマン”、素晴らしかったです。これがバンド!っていう感じがしましたね。特に途中の曲が速くなる瞬間が、すごくかっこいい」

――かっこいいですよね。デビュー前の頃のフラカン、こういうブルースでブギーな感じだったよなあって思い出しました。

鈴木「そうそう!」

グレート「自分らでもやってみて、そんなイメージはあった。最近こういう感じの曲、あんまり作ってないなと思って、それがすごく新鮮で。こういう新曲も作った方がいいな、っていう気にもなりましたね」

三宅「あ、でも……歌、オリジナルの歌詞カードを見て歌ってくれたと思うんですけど――」

鈴木「はい。あ、間違ってました?」

三宅「いやいや。あれ、当時アドリブで歌ってた〈カモン!〉とかも、歌詞カードに書いてあったと思うんですね。それをそのまま歌ってくれてるから、逆に申し訳なくて(笑)。そこは自由にしてもらってよかったんです……って」

鈴木「そうだったんですね(笑)。僕、そういうとこ縛られちゃうんですよ」

グレート「アドリブ効かないから」

鈴木「自分の曲でも、昔はそういう合いの手みたいなのまで全部歌詞に書いてたくらい(笑)。融通が効かないんです」

――あと鈴木さんはもう1曲、21人のオールスターズが歌う“JUMP”にも参加しておられますが。

鈴木「そうなんですよ! ありがたいです」

グレート「錚々たるメンツにね。恐ろしいですよね、この並び」

三宅とフラカン鈴木のほか、斉藤和義、浅野忠信、石塚英彦、衣美、大西ユカリ、桜井和寿、金子マリ、甲本ヒロト、仲井戸"CHABO"麗市、山崎まさよし、TOSHI-LOW、竹原ピストル、大竹しのぶ、BEGIN、ゆず、茜がヴォーカルで参加
 

――当然これ、いっぺんに集まったわけじゃないですよね。

三宅「そうです。音を送ったり、スタジオに来てもらったり。鈴木くんはスタジオに来てもらったんですけど、鈴木くんには大竹しのぶさんとデュオで歌ってもらうっていう案をパッと思いついて」

鈴木「そう。〈マジか! そんなことありえるのか!〉と思って。で、まさかスタジオには(大竹さんが)いないんだろうなと思って行ったら、いらっしゃって(笑)。〈あら!〉と思って

――でも大竹さん、以前にフラカンの“深夜高速”をカヴァーしてましたもんね。

鈴木「そう、ライヴで歌ってくださっていて。でもお会いしたのは初めてで、衝撃的でしたね、〈本物だ!〉って。それでいろいろお話させていただいて、メルアドを交換して、そしたらあとでメールをくださって。でもほら、俺、ガラケーでLINEとかできないから、ショートメールで4回ぐらいに分けてお返事をしました(笑)」

フラワーカンパニーズの2004年のシングル“深夜高速(25th Annivarsary Mix)”
 

三宅「あのデュエット、おもしろかったのが……大竹さんに先に歌ってもらって、そこに鈴木くんがどう歌ってくれるかを試させてもらったんですね。ユニゾンしたり、下でハモってもらったりして。で、最終的にまさか男性の鈴木くんが上ハモになったという(笑)」

鈴木「驚異的な高さでしたよね。ものすごい調子いい時しか出ない声。男が上って、バービーボーイズ以来ですよ(笑)。三宅さんに〈ハモってみない?〉って言われて、俺、下でハモるのすごい苦手で、3度上しかできないんだよなあ……と思ってたら、〈それ試しにやってみたら?〉って言われて。でもなんとか、歌えたから」

――アルバムの最後のオールスター曲の選曲が“JUMP”っていうのも、とてもいいですよね。

三宅「そうですね。清志郎さんとはすごくたくさんの曲を作らせてもらったんですけど、やっぱり“JUMP”は……〈完全復活祭〉の1曲目にやったっていうのもすごく大きいんですけど、清志郎さんと俺の中で〈意外といい曲だな〉っていう思いが、演奏していく中であって。〈これはもしかして、やり続けたら“雨あがりの夜空に”みたいに有名になる曲かもしれないな〉って清志郎さんが言ってたんですよ。でも、曲が出来たのは亡くなる数年前ですから、一緒にやれる時間が少なかったんですけど、その言葉はすごく憶えてて。だから今回も、絶対にこの曲は最後にみんなで歌ってほしいなと思ってました」

※2008年2月に日本武道館で、忌野清志郎&NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS plus 仲井戸“CHABO”麗市が開催した祝祭

グレート「『ソングライター』の曲順はリリースされた年代順に並んでますけど、これ、奇跡の曲順ですよね。DISC1は頭からずっとブルースの曲が続いたり、DISC2は(竹原)ピストルくんから始まってまた流れが変わる感じで」

三宅「ねえ、ほんとに。やっぱり自分が……初期の頃はとにかくブルースとかブギーがやりたいから、そういう曲しか作れなくて。だからこのアルバムを聴いていても、最初はブルース・アルバムみたいなんだけど、途中からだんだん変わっていく」

グレート「そうそう。だから、聴いてると三宅さんの音楽の変遷が見えて、それがすごくおもしろかったです。初期はブルースどっぷりで、でも途中で〈ブルースだけじゃない〉ってなったんだろうな、とか。あと俺、言いたかったのが、DISC1の最後がCHABOさんっていうところも、運命だなと思って」

鈴木「うん、うん」

グレート「よく出来てるなあと思って。三宅さん、宮崎にいた頃にCHABOさんと文通していて、東京に出てきて、CHABOさんの紹介で清志郎さんの運転手になって……っていう有名な話を思い出したりして。またこの曲なのもいいんですよね、“何にもなかった日”っていうのが。CHABOさんが〈いい事があるといいね〉って歌っていて、それがDISC1の最後にあることでグッと締まったなあと」

三宅「この曲はね、CHABOさんからの手紙を読むような気分でした。たまんなかったですね」

――最後に、フラカンのお2人は、こんなに多くのミュージシャンに必要とされる三宅伸治の魅力というのは、どういうポイントだと思います?

鈴木「まずはその、人柄ですよね。一緒にいてものすごく安心するんですよ。威圧感がまったくないというか、スッと距離を縮めてきてくれる方で。あと、言葉かなあ。歌詞がやっぱり、トリッキーな言葉とか全然使わないんだけど……三宅さんの人間性と同じ感じで、スッと入ってくるんですよね。すごく自然な距離の縮め方というか。その感じが、いちばんすごいところかなあと思います。今回のようにほかの人が歌っていてもそれは変わらなくて。決して言葉が威圧的に入ってこない。ストーンと自然に入ってくる」

グレート「音楽もそういう感じがするんです。僕はオーバーオールズでしかご一緒してないですけど、すごく自然なんですよね。音楽を通じてのキャッチボールがやりやすくて、音楽に入りやすい。ご一緒してみて、〈だからあれだけいろんな人に求められるのか、なるほど!〉と思いました。もう音楽を好きな人とだったら誰とでも一緒にできるというか、そういうミュージシャンってなかなか見たことないから。そこらへんの自然さっていうか、やわらかさみたいなものは、三宅さんは若い頃からずっとそうなんだろうなっていう気はしましたね」

鈴木「自由な感じというかね」

グレート「ジャンルも関係ないし、年齢も、性別も、それこそ女優さんとか芸人さんでも関係なく、音楽が好きな人、音楽に本気になれる人だったら誰とでも向き合えるというか。そういう姿勢だったりが、三宅さんにみんながついていきたくなる理由なんだろうな、って思いますね」

三宅「いやいや……でもほんと、そのあたりも清志郎さんのおかげっていうのは大きいです。清志郎さんのおかげで知り合えた人がたくさんいるし、フラカンとも最初はそうだったわけだし。振り返ってみてもやっぱり、そういうことは思いますね。感謝しながら、これからもがんばっていきたいですね」

 


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2017年12月25日(月)東京・下北沢440
〈中村耕一&三宅伸治 Year-end スペシャルミニライブ〉
2017年12月26日(火)埼玉・越谷イオンスタイル レイクタウン
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2017年12月29日(金)名古屋アランプーサン
〈三宅伸治solo”MOJO WORKING 2017″〉
2017年12月30日(土)名古屋太子山 楽運寺

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