何かしらのプログレスは、青と白から赤と黒へのヴィジュアル・イメージの変化からも容易に伝わるかもしれない。レーベル移籍を経てのサード・アルバムは、“おかえりさよなら”などエモーショナルな側面を表出しはじめた先行曲の流れも受け、A&M風味の感傷的なメロディーが印象的な“狭い物語”やブクガにしてはいろいろ直球な“ボーイミーツガール”など、リズムの野心に封じ込められない有機的な歌声が際立った内容。移籍前のシングルも“言選り_”“rooms_”など新装された形で収まり、半数を占めるインストも含めて21曲トータルでの新たな意味合いを織り成すかのよう。“MORE PAST”から響く“my cut”にハッとさせられたり、凄まじい変拍子の展開される“夢”に打ちのめされたり、今回も堂々の逸品。