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THE UNDISPUTED TRUTH Cosmic Truth / Higher Than High Kent(2019)

こちらは60周年リイシューとは別軸ながらついでにご紹介。ノーマン・ホイットフィールドの後見でサイケデリック・ソウルを推進してきたユニットの、モータウンへの置き土産となった75年の5~6作目が2in1にて初CD化。この後ローズ・ロイスを結成する面々やワー・ワー・ワトソンら演奏陣がバックアップしたドロドロのグルーヴは完全にPファンク化した猥雑なカッコ良さ! *出嶌

 

MANDRE Mandre Motown/ユニバーサル(1977)

マクセインの総帥だった鍵盤奏者のアンドレ・ルイスが立ち上げたプロジェクトの初作。ロフト・クラシックの“Solar Flight(Opus 1)”のようなシンセ使いのコズミック・ファンクが中心で、ジョニー・ギター・ワトソンがペンを交え、フランク・ザッパの曲をカヴァーするなど、キャリアや人脈を示すような一幕も。バレット・ストロング“Money”のディスコ・ファンク解釈も刺激的だ。 *林

 

RARE EARTH Grand Slam Prodigal/Culture Factory(1978)

こちらも60周年記念の復刻とは別軸のリイシュー。サイケな60年代末の空気に乗ってノーマン・ホイットフィールドらとファンク・ロックを作ってきたデトロイト産バンドの、モータウン傘下での最終作。ジョン・ライアン制作でブルージーというかドゥービーな雰囲気を増し、〈悲しい噂〉など母屋の名曲も取り上げつつ、カヴァーならソウルフルな“When A Man Loves A Woman”がハマる。 *出嶌

 

SCHERRIE & SUSAYE Partners Motown/ユニバーサル(1979)

スプリームス末期のメンバーだったシェリー・ペインとスーゼイ・グリーンによるデュオ・アルバム。ユージン・マクダニエルズの制作で、シーウィンドのホーンも活かしながら華やかなディスコやAORスタイルの曲を歌っている。キュートな声で歌うスーゼイがレイレッツ出身だからか、“Luvbug”ではレイ・チャールズが合いの手を挿む。シカゴ・ソウルに通じる淑やかなスロウも美味。 *林

 

JERMAINE JACKSON Let's Get Serious Motown/ユニバーサル(1980)

なぜかほとんどのアルバムが数十年もCD化すらされないジャーメイン。数少ない例外となるこの最大のヒット作は、弟マイケルのモンスター盤『Off The Wall』への対抗意識も好作用した気合いの伝わる快作で、チャート首位に輝いた表題曲などスティーヴィー・ワンダーがプロデュースした楽曲はどれも鮮烈な出来。80年代のモータウンを代表する重要作のひとつと言えるだろう。 *出嶌

 

NOLEN AND CROSSLEY Ambience Gordy/ユニバーサル(1982)

CCM系のパッセージへの参加などを経て、モータウン入社後は裏方としてデバージやロックウェルに関わった男性デュオ。ハル・デイヴィスらが手掛けた前作に対してセルフ・プロデュースとなったこの2作目は、リッキー・ロウソンらの腕利きを従えて快活なダンス・ナンバーやAOR調の曲をナイトフライトばりの爽やかさで歌っていく。“Salsa Boogie”は表題通りのラテン・アプローチだ。 *林

 

RICK JAMES Throwin' Down Gordy/ユニバーサル(1982)

ソウル/ファンク好きには定番でも、『Street Songs』と『Cold Blooded』という名盤に挟まれて現在ではやや印象薄めなゴールド獲得盤。ロイ・エアーズも絡む“Dance Wit' Me”や“Hard To Get”など得意のアップもソリッドだし、“Teardrops”やティーナ・マリーとの“Happy”といったクソ甘なスロウも最高だ。プリンスの台頭を意識せずに作れた絶頂期の余裕っぷりが眩しい名曲集。 *出嶌