Mikiki編集部のスタッフ4名が〈トキめいた邦楽ソング〉をレコメンドする週刊連載、〈Mikikiの歌謡日!〉。更新は毎週火曜(歌謡)日、数無制限でNEWな楽曲を軸に、たまに私的マイブームも紹介していくので、毎週チェックしてもらえると思いがけない出会いがあるかもしれません◎ *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【天野龍太郎】

tofubeats “Keep on Lovin' You”

レヴューで書いたものはいいかなと思いましたが、念のためフォローアップを。

レヴューにも書いたとおり、KASHIF(ギター)とゆnovation(コーラス)が参加した、〈サントリー天然水 GREEN TEA〉とのコラボレーション・ソング。『RUN』のストイシズムとは対照的な、肩の力が抜けたいい湯加減の一曲。思わずリピートしてしまいます。

 

王舟 “Kamiariana”

こちらも収録アルバム『Big fish』のレヴューで紹介しましたが、tamao ninomiyaがさりげなくコーラスで参加した一曲(他の曲でもゲストは本当にさりげなく歌っています)。最初に聴いたときの衝撃もあって、この“Kamiariana”は特に気に入っています。とはいえ、これに限らずとんでもなく素晴らしい曲が詰まっていて、プロダクションの面でも、ソングライティングの面でも、『Big fish』は王舟さんの最高傑作と言っていいと思います。この言葉にしがたい傑作をぜひ聴いてほしいです。

 

玉名ラーメン “柔らかい”

岡村詩野さんからは〈日本のビリー・アイリッシュ、みたいなところもある〉と言われ、佐々木敦さんを〈DAOKOを観に行ったらKOHHが出てきた的な!〉と興奮させた玉名ラーメン。そもそも↑で書いたtamao ninomiyaが〈どっからか私が見つけてきた〉(どっからだ)という彼女ですが、最近ものすごい勢いで支持と評価を得ていっています。

エモーショナルでリアリスティックな日常のシーンを直球の言葉で描写していたスタイルをかなぐり捨て、EP『空気』以降はチルでアンビエントでアブストラクトでちょっとイルな方向へと転換。その最前線がこの曲。すごいです。

 

【田中亮太】

カジヒデキ “ノンノン・ソング”

来週6月5日(水)リリースのカジさん新作『GOTH ROMANCE』から、のんをフィーチャーした楽曲を先行で公開。いつにも増して陽性で快活なカジさんのヴォーカルもさることながら、のんさんのチャキチャキとした歌の魅力が爆発。彼女のミュージシャン・キャリアにおける現時点でのベストワークでは……なんて思っちゃったりも。バック・バンドにおとぎ話を従えてのドライヴィンなロック・サウンドが超カッコよく、堀江博久節なサイケ炸裂のキーボード・ソロも堪りません。

ちなみに最近、ほぼ全カタログがサブスク解禁されたカジさん。それに合わせて、チャーベさんや曽我部恵一さん、かにぱんさん、宇佐蔵べにさん、おとぎ話の風間さんなど所縁の深い方たちがそれぞれの〈カジヒデキ10曲〉を選んだプレイリストを公開しています。そちらも最高なので、ぜひチェックを。

 

chie “focus”

東京を拠点に活動している3ピース、chie 。BASEMENTBARスタッフの連載〈下北沢で噂のあいつら〉最新回に紹介されていたことで気になり、先日彼らのライヴを観に行きました。飄々と朴訥としたメロディーを紡いでいるようで、その奥底には寂しさや居心地の良さ、怒りや喜び、痛みや甘美さ……相反したりわりきれなかったりする感情が漂っている。まるで東京スーパースターズみたいだな~、これはグッとくるな~と思いながら観ていました。この曲は収録していないですが、ライヴ会場ほかで販売している3曲入りEP『SIREN』も良かったです(お釣りを用意するため会場内を右往左往していたのもキュートでした)。

 

【高見香那】

BIG-RE-MAN feat. 佐々木龍大 “レイデー”

BIG-RE-MAN feat. 佐々木龍大 Beats by GREENZULU(Green Assassin Dollar & PONZULU)

友人におしえてもらい最近知った、若干stillichimiya的な何かも感じる、気になるグループ。Twitterのプロフィールによると〈岩手県花巻市出身。1984年産。 3MC+1DJ+1SHOUTER(農家、婿養子×2、隠し子、転校生)で形成された5人組HIPHOPクリエイター集団〉とのこと(オフィシャルサイトではクリエイター→ペガサスになっていて気になる)。2015年にILLSUGIやMAHBIEも参加したファースト『珍珍珍珍珍』、2017年にセカンド『世界平和』、2018年にGREEN ASSASSIN DOLLARとのWネームのサード『四股』をリリース。club asiaで開催している主宰イヴェント〈SLAM DANKE(スラム ダンケ)〉では仙人掌やJinmenusagiらを招聘したり、先日はHei Tanakaのリリース・パーティーに出演したりと、活動は多岐にわたるようだ。

で、6月9日(日)に7インチ・シングルでリリースされるこの“レイデー”。メロウなトラックの上でキャラ立ちしまくった3MCがそれぞれのレイデー=ladyについて語っていくという内容で、それぞれにドラマがあって良い。ライヴが観たい。

 

【酒井優考】

椎名林檎 “鶏と蛇と豚”

語りたいことは山ほどあるんですが、『三毒史』は、まるでディズニーランドでショーを見ているようなアルバムでした。この曲はその一大ドラマのプレリュード。

 

Velladon “Alefgard”

Vampilliaとその派生ユニットVMOに結成時から在籍していた美しきギタリスト・Velladonさんが突如バンドを脱退。ソロ活動を開始し、すでにEPを配信リリースしています。静寂と轟音が何度も行き交う物凄い音源なのですが、それとは別にドラクエの日(5月27日)に突如アップされた音源がこれまた良かったので、ここではこちらをご紹介。「ドラクエ3」をやったことある人は是非。

 

milo “Filifjonkan”

〈ムーミン〉のキャラクター、フィリフヨンカの名前を冠したアンビエントなトラック。作品に対して親の影響がどうこうとかあまり言いたくないんですが、それでもこれは! 嫌でもあの人の顔が浮かんでしまいます。

 

King Gnu “The hole”

後々になって〈2019年はKing Gnuの年だったな〉と振り返る気がします。